厳選素材を使ってすべて手作り|株式会社布目|本数の子 黄金松前


今月は、北海道から『風土47』イチオシの商品のご紹介だ。
北海道といえば美味しい名産品の宝庫であり、特に水産加工品の種類は幾千を数える。
その中でも、北海道内はもとより、全国に多くのファンを持つのが株式会社布目(ぬのめ)の「本数の子 黄金松前(こがねまつまえ)」だ。
函館や松前などの道南地方では古くから「松前漬け」が作られてきた。昆布とスルメを醤油ベースの調味液に漬け込んだもので、たっぷりのうま味を昆布のねばりがまとめ上げ、おいしいことこの上ない。
この松前漬けに、贅沢にも「一本羽(いっぽんば)」とよばれる折れのない数の子を入れ、特製の調味液に漬け込んでいる。北海道産の真昆布や国産スルメを使用するなど材料も厳選し、一本羽の数の子を折らないよう、機械は一切使わず、すべて手作りで生産する。保存料や着色料も無添加で、安全・安心にもこだわった逸品だ。
発売以来、40年近く、看板商品であり続ける「本数の子 黄金松前」は、時代が変わっても、類似品が登場しても、決して人気が衰えることがない本物の味、自慢の逸品だ。
最後に問い合わせ先を記載しているので、ぜひ味わってみてください。

■素材も製法も誠実一筋。会社の信頼と誇りを背負った看板商品
『風土47』スタッフの間でも、「松前漬けなら、やっぱりこれ」と絶大な人気を誇る「本数の子 黄金松前」。製造する(株)布目は、函館市で昭和16年に創業した水産加工品メーカー。松前漬けに一本羽の数の子を入れた商品を販売したのは、この会社が最初だといわれている。
「『本数の子 黄金松前』は発売から40年近く、わずかな変更はありましたが、素材も製法も変わらずに作り続けています」と話してくださったのは営業部の佐々木康寿さんだ。

黄金松前の原材料。厳選した素材が確かな味を生む

昆布は北海道の海で獲れた真昆布を使用
近年、真イカの水揚げ量が減り、国産スルメの価格が高騰している。それでも「素材は変えない、というのが社員一同の意見です」と佐々木さん。国産スルメのうま味が醸し出す豊かな味わいを変えてはいけない、という想いからだ。
誠実な製法で築き上げてきた看板商品の人気は、そのまま会社の信頼につながる。会社の誇りを背負った商品なのだ。
今回、取材して、単に一本羽の数の子が入っていることが贅沢なのではなく、一本羽を使うことによって各工程で手間をかけ、製法が丁寧になる。その手間のかけ方も贅沢なのであり、各工程の積み重ねが大きな味の違いになることを知った。
■混ぜるのも包装も手作業。丁寧さの積み重ねが大人気の味を生む
まず、塩抜きした数の子を一晩、調味液が入ったバスタブのようなタンクに先に漬けておく。大ぶりな数の子に味をよく染み込ませるためだ。
この調味液も大きな味の決め手となる。醤油やみりんなどが入っているのだが、実はその配合は社内でもわずか数人しか知らない極秘事項だ。
数の子を入れて一晩置いた調味液のタンクに、細く切ったスルメと昆布、そしてプチプチとした食感を出すために数の子のばらこなどを加える。

二人がかりで撹拌する

最先端の安全システムを導入している
20~30分かけて完全に混ぜきったら、冷蔵で一晩おいて、袋詰めなどの包装も手作業で行い、出荷されていく。
(株)布目では5年前に工場をリニューアルし、工場内の衛生は「FSSC 22000」に準じて厳しく管理している。
「安心安全にもこだわった美味しい商品をお届けできるよう、日々努力しています」と佐々木さん。
(株)布目では、社長さんが得意先回りの際、手土産にしていた塩辛があまりに好評だったため、商品化した「社長のいか塩辛」も人気。
二枚看板の商品はどちらも魅力的だ。この際にぜひご賞味ください。

「社長のいか塩辛」も人気商品

(株)布目の商品ラインナップ
■「本数の子 黄金松前」の問い合わせ先
※ | オンラインショップから購入できます。 |
布目オンラインショップ | |
株式会社 布目 | |
〒040-0076 北海道函館市浅野町4番17号 | |
TEL:0138-43-9101 FAX:0138-43-3711 |
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取材 中元千恵子(トラベルライター、日本旅行記者クラブ、日本旅のペンクラブ会員)