

日本列島は順次、梅雨が明け、太陽照り輝き、山緑濃く、海青さを深める夏本番を迎えました。各地では最高気温が30度を超す真夏日が続き、中旬を過ぎると学校は長い夏休み、下旬には会社や職場では夏季休暇を取り始めます。
花火大会や盆踊り、海水浴、キャンプなど夏ならではの催しや企画も目白押し。家族、友人などグループ旅行が多くなることでしょう。
7月1日からは老若男女に大ウケのJR全線、快速・普通列車に乗車できる「青春18きっぷ」も発売開始。(8月31日まで・利用期間7月20日〜9月10日)。のんびり、ゆったりの鉄道旅も楽しい時です。



この川に沿ったり、串刺しするように走るローカル線・予土線を旅してきました。字のとおり伊予(愛媛)と土佐(高知)を結ぶ路線ですが、江川崎駅まで寄り添うのは広見川で、江川崎から先が四万十川の本流です。車窓の左右に入れ替わる川はうっとりするほど清く澄んだ表情。鉄橋とトンネルを越す度に現れる景色が新鮮です。
この車窓風景の美しさとともに楽しませるのが楽しい駅名。停車のとたんに乗客が突如立ち上がって若者たちがカメラを構えたのは「半家」(はげ)の駅名板。思わずあたりの乗客のオジサンたちの頭を見回しました。「土佐昭和」の次が「土佐大正」。残念ながら次は「土佐明治」ではありませんでした。
昨今なぜか鉄道本が人気です。乗り物に身を任せてのゆったりの鉄道旅行ファンも増えているようです。故郷に帰省のついでにローカル線で小さな旅もおススメです。



直江兼続が治めた与板城の実城(本丸)の跡は標高104mの山頂に。中越を一望できる山城でした
与板は長岡市街の北方、信濃川左岸にある、城主直江兼継が美濃から招いた刀工による打刃物の町で、現在8人の伝統工芸士によって技術や製品が今に伝わります。
三国街道の宿駅としての面影を残す古い町並みの背後の丘陵に、兼継が米沢に移るまでの40年間治めた与板城跡があります。実城(本丸)へは登り口から歩いて20分ほど。土塁や空濠、郭跡に往時を偲ぶばかりですが、中越地方を見晴らせます。兼継お船ミュージアム(与板歴史民俗資料館)ではそうした歴史を知ることができます。
良寛の父の出身地でもあり、師は晩年までこの町に足を運んだそうですし、料理屋や食堂、菓子店もあり、兼継フィーバーをきっかけに磨きかければ、ちょっとした「旅の町」に生まれ変われるような気がしました。
問合せ=与板観光協会 0258・72・3100