


ひときわあでやかな色合いの京都・円山公園の桜
「さあ」「いざ」という時に、東北・関東を襲った地震・津波の巨大な自然災害。命を奪われ、暮らしを覆され、心をえぐられた被災に、加えて先行きが見えない福島原発の事故災害。計画停電など暮らしをはじめ産業・流通など影響は大きく深く広がっています。
被災地の皆さんには心よりお見舞い申し上げます。
そんな切ないスタートの今年の4月。遅れ気味の開花の桜の花見に興じる気持ちもしぼみがちですが、花や木や生き物たちの輝きに誘われ、心弾ませて歩き出したいものです。
「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず」。人生の無常がことさら感じられる今年です。


伊香保のランドマークの石段街。昨年に更に延びた

源泉直結の茶褐色の湯があふれる伊香保温泉露天風呂

茶褐色の温泉饅頭発祥という「勝月堂」の湯乃花饅頭
湯の噴出が眺められる源泉湧出口近くには、いわば生まれたての湯が源泉掛け流しで堪能できる伊香保露天風呂があります。石段下には旅館に配湯される源泉の小間口が眺められるのぞき窓や、下方には日帰りの共同湯の石段の湯があります。この茶褐色の湯が実は温泉饅頭の色のヒントになりました。
全国各地の温泉にたいていある温泉饅頭の発祥地には諸説がありますが、伊香保の「湯乃花まんじゅう」がいまや有力な定説です。
明治43年(1910)、何か自慢できる温泉名物をと「勝月堂」の初代当主の半田勝三氏が、白い皮が通り相場のふつうの饅頭と異なる、伊香保の湯に似せた茶褐色の饅頭を考案。昭和天皇が群馬で行われた陸軍特別大演習にこの饅頭を買い上げ、配られたことから大ブレーク。以後、温泉地の饅頭がこの皮の色に倣ったといわれています。
しかし伊香保では10店のほとんどが温泉饅頭と名乗らず「湯の花饅頭(まんじゅう)」と称しています。発祥地の誇りからでしょうか。
<問合せ>・伊香保温泉観光協会 ☎0279-72-3151
・伊香保露天風呂 ☎0279-72-2488
・勝月堂 ☎0279-72-2121


柳並木が続く川の両岸に旅館や土産物店が軒を連ねる

ロープウェイがかかる大師山からの桜越しの温泉街
今から1400年も昔、コウノトリが傷を癒していたことから発見されたという古湯中の古湯の城崎は、100軒近くの木造2~3階建ての旅館が連なり、“外湯”と呼ばれる7つの共同浴場のある情緒豊かな温泉地です。
『城の崎にて』の志賀直哉をはじめ多くの文人たちが訪れ、愛した風雅な宿や趣ある湯の町風情が今もそこここに息づいています。
城崎文芸館、麦わら細工伝承館、温泉寺などの見どころとともに、但馬牛や松葉ガニなどの味覚にも誘われます。
城崎温泉のある豊岡市は天然記念物コウノトリの日本最後の生息地。野生復帰に取り組んだコウノトリが空を飛翔するやさしい町でもあります。
<問合せ>・城崎温泉観光協会 ☎0796-32-3663
・豊岡観光協会 ☎0796-22-8111