
今年の桜前線は早まったり、留まったり、足取りは不規則です。
例年ならば5月は津軽海峡を渡って北海道にたどり着きます。桜が過ぎると、日本列島の山野は、そこここで若緑に包まれ、ツツジやバラなど多くの花々が咲き競い、鳥など生き物たちも生き生きと、やがて万緑に染まります。
そんな季節の折目に、日本では例年、最も長く続く連休期間。かつてゴールデンウイークと胸躍らせたのに比べ、特に勤め人には当たり前のように生活に組み込まれています。
2日は「♪夏も近づく……」と唄われた茶摘みの始まる八十八夜、5日は立夏。夏の序曲が始まります。6月の梅雨までは快適な五月晴れの日が多くなります。
渋滞、行列、混雑の連休をやり過ごして、松尾芭蕉が「奥の細道」に旅立った5月16日(日本旅のペンクラブ提唱・制定の「旅の日」)をきっかけにどこかへ出掛けみませんか?
下旬には季節の遅いといわれる北海道にもライラックがすがすがしい薄紫の花を開いて初夏の訪れを告げます。
薄紫色のライラックが咲くと初夏は駆け足(札幌・大通公園)


三角に整えた米を笹の葉で包んで蒸したちまき
♪柱のきずはおととしの5月5日の背くらべ
ちまき食べ食べ兄さんが計ってくれた背の丈
唱歌『背くらべ』でおなじみの「ちまき」は柏餅とともに男児の節句に供える食べ物です。米粉や葛(くず)などで作った餅を笹や竹、葦などの葉で巻き、藺草(いぐさ)でしばって三角形にして蒸したものです。端午(たんご)の節句に合わせて各地でいろいろな形で作られています。この季節、勢いよく生育する笹や竹などの葉は、殺菌作用や生き生きした色合いが邪気を払うとされているからです。
昔は茅(ちがや)の葉で巻いたので"茅(ち)巻き"と呼ばれるようなったのですが、"粽"とも書きます。
笹の葉で三角形にした蒸し上げ餅をきなこで食べるのは、東京・中野の「庄瀬」や東京・赤坂の「雪華堂」など多くあります。
葛を練って作った半透明なものを笹の葉で長円錐形状に巻き、藺草でぐるぐるに巻き束ねた粽で名高いのが京都・下鴨の「川端道喜」、東京・赤坂の「とらや」などです。


千歳観光のシンボル的存在の支笏湖と丸駒温泉

カルビーの工場見学は専用通路で上から見学

もりもと本店の看板菓子・ハスカップジュエリー

新発売の太陽いっぱいのりんごゼリー
北海道中央南部、千歳市は国内線航空乗降客数が年間1600万近くを数える国内第2の空港をもつ、北海道の空の玄関口。それのみならず、千歳は原生林に包まれた支笏湖や鮭が遡る清流の千歳川、丸駒温泉に代表される温泉、花咲く田園風景など観光スポットが多彩な町です。
一番搾(しぼ)り等でおなじみのキリンビール、ポテトチップス・じゃがぽっくる等で有名なカルビー、煎餅・あられが美味しい岩塚製菓をはじめ千歳ワイン、千歳ハムなど見学可能の生産工場があることでも知られています。
ハスカップジュエリー等で名高い(株)もりもとの本社も千歳で、製品の開発にも熱心で、最近新発売の「太陽いっぱいのりんごゼリー」と「さっぽろ大通公園大豆クッキー」も話題を呼んでいます。
りんごゼリーは看板菓子の1つで完熟トマトをつかった「太陽いっぱいの真っ赤なゼリー」の発展系。スプーンで運ぶと舌にひやり、ほろっと溶けて、爽やかな香りと一緒にリンゴのやさしい甘酸っぱさが喉へと流れてうっとりする美味しさです。
採り立ての地場野菜をはじめこれらの商品が1ヶ所で買えるのが、JR千歳駅直結の商業ビル2階の千歳観光物産サテライト「MILU(ミル)」。工場見学など地元情報はもとより道内各地の観光情報も揃った観光案内所でもあります。
<問合せ>
・千歳観光物産サテライト「MILU(ミル)」 ☎0123・24・8801
・もりもと本店 ☎0123・23・4181


異人館街の中心に建つシンボルの風見鶏の館

循環バスのはしり的存在のシティー・ループ


長い歴史をもつジャズ・カフェ・SONE(ソネ)
阪神・淡路大震災から18年。月日の速さに今更ながら驚きます。震災前は若い女性に人トップクラスの人気の観光地で、年に2~3度は取材に、震災後2~3年後は復興支援も含めて何度か出掛けました。ところがここ10年のご無沙汰で、久し振りに神戸観光の定番の北野町に行ってきました。
1867(慶応3)年、開港とともに設けられた外国人居留地に住んだ外国人が、10年後位から眺めのいいこの高台に異人館が続々と出現。終戦前までは200棟以上の異人館が建ち並んでいました。戦災、経済不況、大震災などを経て残っていた80数棟も現在は半減。けれど今も、NHKテレビ小説で知られたレンガ壁の中世ヨーロッパ調の風見鶏の館(旧トーマス住宅)や2階の張り出し窓が印象的な下見板張りの萌黄の館(旧シャープ邸)、クリーム色の板壁にチョコレート色の縁取りがオシャレなラインの館(旧ドレウェル邸)など往時の姿や香りを伝えて、異人たちがもたらしたパンやケーキ、ジャズなどとともに異国情緒を漂わせながら生き続けています。
レトロなハイカラさ、モダンなオシャレさ……坂道を上り下りすると、どこかエトランゼ(異邦人)になれるのです。
<問合せ>
・神戸市産業振興局観光コンベンション課
☎078・322・5339
・神戸国際観光コンベンション協会
☎078・303・1010
・北野観光案内所 ☎078・251・8360