

降りかかるように咲く桜(東京・小石川植物園)
狭い日本とはいえ南北の長さと、季節の足取りのゆるやかさを改めて感じます。
日本人にとってはこの4月はカレンダーの1月とともに大きな切り替えの時です。
官公庁の会計年度、学校、会社など何かと「新」の付く月ですが、加えて今年は、消費税が5%から8%へのうれしくない新消費税への切り替え。あくまで3%の税率アップなのに、これまでの税込み価格に8%掛ける商品の出現も無きにしも非ず。
満開の桜に心弾む日本人。今年はどこで桜に会えるでしょうか?



・白沢せんべい店☎019・622・7224
・丸藤☎019・647・1122


高山を象徴する美しく古雅な風情の上三之町の町並み

モンドセレクション金賞の原田酒造場の「山車」

飛騨駄菓子を代表する豆板、こくせん、甘々棒(音羽屋)

柔らかさから旨みが滲み出す飛騨牛ステーキ(キッチン飛騨)
特に千本格子や連子格子など古雅な家々が軒を連ねる上三之町(かみさんのまち)など三町筋には懐かしく温もりのある情緒が漂います。この雅な町に人波であふれかえるのは4月14~15日の日枝神社の山王祭(春の高山祭)です。
町のあちらこちらにある昔ながらの造り酒屋や駄菓子屋、近年は丹念に飼育されたブランド牛の飛騨牛の店にも引き止められます。酒なら辛口の「山車」で知られる原田酒造場や「鬼ころし」でおなじみの老田酒造店、駄菓子なら「豆板」の音羽屋、「こくせん」の谷松、「げんこつきなこ」の打保屋など迷うほどあります。
飛騨牛ならレストランの「キッチン飛騨」などほか、食べ歩きもできる飛騨牛串焼きや飛騨牛コロッケ、懐かしい味わいの高山ラーメンなど見て、歩いて、食べて、買ってが揃った2~3泊はしたくなる第一級の観光地なのです。
〈交通〉JR高山本線高山駅下車、徒歩5~15分。人力車もあります。
〈問合せ〉
・高山市観光課☎0577・32・3333
・原田酒造場☎0577・32・0120
・老田酒造店☎0577・32・0166
・音羽屋☎0577・33・4636
・谷松☎0577・32・1895
・打保屋宮川朝市店☎0577・32・8526
・キッチン飛騨☎0577・36・2911


鍋島藩主10代と11代を祭る参詣者が多い佐嘉神社

砂糖が運ばれ名菓を生んだシュガーロードの長崎街道


北島の「丸芳露」と鶴屋の「丸房露」

餡が張り付き中が空洞の「逸口香」(あけぼの菓子舗)
城跡は佐賀駅の南方約2キロ。鯱の門や石垣、濠端に昔日がしのばれます。手前にある徴古館や佐嘉神社、松原神社なども藩主鍋島氏のゆかりを伝えています。
駅前からまっすぐ延びるモダンなシンボルロードで目に付くのが「さが錦」の村岡屋、小城羊羹の「村岡総本舗」や「八頭司伝吉」、丸芳露の「北島」の菓子店です。
北島の角のアーケード街の白山商店街を東西に貫く長崎街道は、江戸時代、長崎に入った砂糖などを京・江戸へと運んだ「シュガ―ロード」と呼ばれた道で、南蛮渡来のお菓子が伝わり、広まり、今も数多く作られています。
佐賀では特にポルトガルから伝わった小麦粉、卵、砂糖だけのシンプルな焼き菓子の「丸ボーロ」と、黒糖、水飴などを入れた餡を小麦粉生地で包んで丸く平べったく焼き上げた中が空洞の「逸口香(いっここう)」が2大名菓。店も何軒かあってそれぞれに風味を競い合っています。素朴な味ですが、地元で人気のお菓子なのです。
丸ボーロ(ぼうろ)は、元禄9年(1696)創業の北島では「丸芳露」、寛永16年(1639)創業の佐賀藩御用菓子司の鶴屋では、「丸房露」と表記。微妙に味わいが異なりますが、ふっくら、サクサクの食感から繊細な甘味が舌に広がります。シンプルながら飽きないおいしさです。
長崎では一口香と書かれる逸口香も店によって形も味も違いがありますが、慶応元年(1865)創業のあけぼの菓子舗のそれは小さめな円型で、中の餡の空洞部分があまりなく、パリッの歯応えのあとはもっちりの食感です。急ぎの場合は佐賀駅デイトス1階に各店の売店があります。
〈交通〉・JR長崎本線佐賀駅下車
〈問合せ〉
・佐賀市観光協会☎0952・20・2200
・丸芳露本舗北島☎0952・26・4161
・御菓子司鶴屋☎0952・22・2314
・あけぼの菓子舗☎0952・23・4019