


木造で復元して往時の面影を伝える三階櫓

城下町の風情を残す寺町通り。無料休憩所もある

木造茅葺の足軽長屋。国指定の重要文化財

清水園前の新柳本店でまんじゅうでひと休み

寺町たまり駅では市内各店のお菓子が一堂に

建物にも抒情性をこめた蕗谷小路記念館
表門をくぐると堀に囲まれた本丸跡で、辰巳櫓、鉄砲櫓が目に入る。天守閣にあたる三階櫓は腰壁をなまこ壁にした白漆喰塗りで仕上げた白さがまぶしい。
初代城主・溝口秀勝は尾張出身。秀吉に見い出されて城主に。関ケ原では徳川方に与した新発田を治めた外様大名。恭順の意から天守閣とせず、三階櫓と称した。
屋根に3尾も載せた鯱に思いを込めたのだろうか。外様としては唯一、転封もなく明治維新まで新発田を治めた。
高田馬場での敵討ちや赤穂義士で知られる堀部安兵衛は家臣を父に城下で生まれた。表門前に銅像が立ち、安兵衛という茶店もある。慕われているのだろう。
城下町の名残は寺町筋や、藩主の下屋敷として造られた「清水園」、茅葺きの8軒長屋の「足軽屋敷」にしのばれる。とくに清水園は京都風の雅な回遊式庭園で、樹木が池面に四季の色を映す。数寄屋造りの簡素な建物も風情がある。
清水園前の新柳本店で、おいしい「清水園まんじゅう」と」「水まんじゅう」でひと休み。寺町通りにある観光無料休憩所の寺町たまり駅で、市内には御菓子司菊谷、お菓子の寿屋、菓匠庵寿堂などおいしい菓子屋が多いことを知った。
城近くの市民文化館隣の「蕗谷虹児(ふきやこうじ)記念館」にも立ち寄った。大正から昭和にかけて、竹久夢二の紹介で女性雑誌に寄せた絵や文章で一世を風靡。新発田出身の画家で詩人,デザイナーである。
♪金襴緞子の 帯しめながら
花嫁御寮は なぜ泣くのだろ
の童謡「花嫁人形」の作詞や絵で知られる。
14歳で上京して日本画家の内弟子に。20代半ばで「令女界」「少女倶楽部」などの挿絵で名声を挙げ、人気作家になった。新発田は城下町の歴史ロマンと蕗谷虹児絵画のメルヘンに誘われる町である。
・新潟駅からJR白新線普通で約35分、新発田駅下車
〈問合せ〉
・新発田市観光情報センター☏0254・26・6789
・新発田市観光振興課☏0254・28・9960


富山湾に沿って走る氷見線からの車窓風景

キャラ登場の「忍者ハットリくんカラクリ時計」

藤子不二雄Aの生家の光禅寺と境内の石像

飲食店や水産加品店が集まる「ひみ番屋街」(道の駅)

整然と並ぶ「ひみ番屋街」内部の物産販売店

氷見名物ののど越しつるりの「氷見うどん」
快晴ならば紺碧の富山湾の向こうに屏風のように並び立つ立山連峰が息を呑むほど素晴らしい眺めを繰り広げる。
中心商店街は駅から少し離れた湊川と上庄川の間に商店が立ち並ぶ潮風通り。なかでも中の橋そばの小橋にかかる「忍者ハットリくんカラクリ時計」が目をひく。冬季を除く9時~19時の毎正時(土・日曜、祝日は30分おき)に忍者ハットリくんや多くのキャラクターたちが登場する仕掛けが面白い。
作者の藤子不二雄A(本名安孫子素雄さん)は、商店街の中ほどにある光禅寺の生まれ。境内ではキャラクターの石像が歓迎してくれる。
その縁で、潮風通りは「まんがロード」と名付けられ、作者の描くシマシマ博士やタコ八、イカゾウらサカナ紳士のモニュメントが点々とある。近づくとキャラクターたちに話しかけられるのでびっくりする。原画などを集めたアートコレクション「潮風ギャラリー」もあった。
まんがロードを北に進んで上庄川にかかる比美乃江大橋を渡った先に、もう一つのシンボルの氷見漁港場外市場「ひみ番屋街」がある。東西南北と名付けられた番屋街に並ぶ32軒は飲食店や海産加工品などの店である。
食べ物も“きときと”の海鮮をのせた海鮮丼を筆頭に、コシがあってつるりとした喉越しの「氷見うどん」、氷見産煮干しを使ったB級グルメの「氷見カレー」、ブランド肉の「氷見牛」などいろいろとある。
一角には無料の“足湯”があり、その隣には源泉かけ流しの天然温泉の「氷見温泉郷・総湯」もある。泉質は湯冷めしないナトリウム塩化物強塩泉。食べて、買って、ゆったりと温泉に浸れば半日が過ごせる。
潮風の中の街歩きはマイカー以外なら、レンタサイクルや市街地周遊バスがお薦めだ。氷見は大人も子どもも楽しめる町である。
・高岡駅からJR氷見線普通で約30分、氷見駅下車
〈問合せ〉
・氷見市観光協会☏0766・74・5250