


五浦海岸のシンボルの天心が建てた六角堂

暮らしぶりをしのばせる和風建築の天心邸

五浦岬公園から見下ろす景勝の五浦海岸

レストラン椿で味わった昼食の海鮮料理

岡倉天心の活躍ぶりを伝える五浦美術館

五浦美術館横の展望所からみた海岸風景
明治36年(1903)、茨城出身の画家の案内でここを訪れた美術評論家の岡倉天心がこの地を気に入ってすぐに土地を購入。3年後に低迷期にあった日本美術院をこの地に移して、近代日本美術の復興を目指して本拠地とした。
天心を慕う横山大観、下村観山、菱田春草ら新進気鋭の画家たちも家族とともに移り住み、芸術活動を展開する。切磋琢磨しながら制作に勤しんだ彼らは文展等に出品して高い評価を得て、ご存知のように後年、それぞれが大家となった。
小さな岬の突端の岩場に天心の設計で建てられた東屋風の赤塗りの六角堂(観瀾亭)で、茶室のしつらえで、日本と中国との折衷建築である。2011年の東日本大震災の折に津波に跡形もなくさらわれたが、早期に復元再建された。
入口は「茨城大学五浦美術文化研究所」の看板のかかる長屋門。天心の屋敷跡で広い庭園や天心邸、天心記念館、六角堂が入江に臨む園地に立っている。
ここから南へ15分ほど歩いた五浦岬公園からは、海と波を前にした赤塗りの六角堂や断崖の海岸風景が間近に見える。展望塔に上がると紺碧の太平洋や五浦海岸、小名浜、いわきの海岸など360度に視界が開けた。
南側にほっそりと立つのは大震災の損壊から建て直された白亜の大津岬灯台。その先を西に回り込んだ先にアンコウなども揚がる大津港がある。
食事は断崖にせり出すように建つ五浦観光ホテルのレストラン椿で、六角堂など眺めながら新鮮な魚介の刺身などに舌鼓を打った。
食事の後に10分ほど歩いて天心記念五浦美術館に入った。岡倉天心の書簡や写真、遺品をはじめ横山大観や菱田春草ら五浦にゆかりの画家の作品も鑑賞できた。
海の景勝と近代日本絵画の揺り籠が織りなす五浦海岸や野口雨情の生まれた磯原など魅力が尽きない北茨城の1日だった。
・JR常磐線大津港駅から六角堂までタクシー1000円
〈問合せ〉
・北茨城市観光協会☏0293・43・1111


みなみの桜と菜の花が咲く青野川

伊豆半島の南端に立つ石廊埼灯台

郷土割烹「おか田」の魚介ランチ

安心、安全で評判の休暇村南伊豆

三日月状の白砂の浜の弓ヶ浜

あいあい岬から見下ろす奥石廊
以前、そんな季節に訪ねて、ひと足早い花の春に身も心もぽかぽか包まれた思い出がある。今年はその祭りは2月10日~3月10日。夜はライトアップされるとあって例年、終日、人出でにぎわう。
青野川を少し遡った内陸には道の駅「下賀茂湯の花(直売所・観光交流館・足湯)」。その先に自噴の湯煙が立ち上る湯量豊富で高温の下賀茂温泉がある。温泉熱を利用した熱帯植物園では温泉メロンを賞味した。
青野川の河口には海水浴に快適な遠浅の澄んだ海を抱いた白砂の弓ヶ浜が広がる。その一角に建つ「休暇村南伊豆」は、鉄筋7階建て、和洋室、和室、洋室を76室そろえた快適でリーズナブルなリゾートホテル。魚介はもとより静岡黒毛和牛など食事はバラエティに富み、大浴場や庭園露天風呂など浴槽の多様性もあって、南伊豆きっての人気の宿泊施設になっている。
昼食は評判の郷土割烹「伊豆の味・おか田」で賞味。伊勢エビや金目鯛など盛りだくさんの海の幸を堪能して、海沿いの県道16号の大瀬の奇岩怪石の海岸風景やアロエセンターに立ち寄って石廊崎港に向かった。
岬めぐりの遊覧船は出航したばかりだったので、坂道を上がって石廊崎まで15分ほど歩く。途中に4月1日オープンを目指して建設中の「石廊崎オーシャンパーク」を横目に行くと、ややずんぐりの白亜の石廊埼灯台があった。
石段を下りると石室神社。さらに先端の石廊崎に立つと、太平洋が丸みを帯びた水平線をのばし、左手に今しがた通り抜けてきた蓑掛岩などの海岸風景が見えた。右手には断崖、奇岩と紺碧の海が織りなす絶景の豪快な奥石廊崎海岸もなぞれる。
奥石廊崎は断崖絶壁と岩礁、エメラルドの海、波涛が連なる豪快で美しい海岸風景が見もの。ビューポイントはジオパークビジターセンターのあるあいあい岬。ここから見下ろす大根島をはじめ数々の断崖、奇岩、岩島と海がつくる絶景にしばし見入った。
・伊豆急下田駅からバスで約20分
〈問合せ〉
・南伊豆町観光協会☏0558・62・0141
・休暇村南伊豆☏0558・62・0535