


浅間大社の鳥居の間に望む残雪の富士山

斬新な展示の富士山世界遺産センター

富士登山をイメージした螺旋スロープ

華麗で厳かな社殿の富士山本宮浅間大社

富士山からの清澄な水を湛えた湧玉池

明治3年創業の旅館小川荘の「清流懐石」
世界遺産登録をきっかけに2017年12月、静岡県富士山世界遺産センターが西南麓の富士宮市にオープンした。その見学を目指して富士宮市を訪ねた。
街の玄関口の身延線富士宮駅から徒歩10分ほどに大鳥居を構える富士山本宮浅間大社がある。手前の参道近くには、水盤に映る木格子の壁で「逆さ富士」を表現したユニークなデザインの「富士山世界遺産センター」が立っていた。
1階から5階への館内の通路は富士登山を思わせるゆるやかな螺旋スロープ。最上階の展望ホールからは富士山が大きく美しく眺められる。
館内には活発な火山活動を伝える”荒ぶる山”、修験と登拝の“聖なる山”、四季の装い鮮やかな”美しき山“、湧水を生み出す”育む山“など、富士山の様々な魅力がビジュアルに展示されていた。
鳥居をくぐった参道の先に鎮座する富士山本宮浅間大社は大同元年(806年)、征夷大将軍坂上田村麻呂がこの地に遷宮して壮大な社殿を営んだことに始まる。
祭神は美貌と貞淑の誉れ高い木花之佐久毘売命(このはなのさくやひめのみこと)で、家庭円満、安産・子安・水徳の神とされ、火除、航海、漁業、農業の守り神として全国的な崇敬を集めている。
二重の楼閣づくりの朱赤色の本殿や拝殿は家康の寄進による国指定の重要文化財。全国1300社ある浅間神社の総本宮で、富士山の八合目以上が境内地。頂上には奥宮が立っている。
境内にある湧玉池は、富士山に降った大量の雨や雪が麓に押し流され、湧水池になったもので、昔は富士登山の前にここで禊をして山に向かったという。池のほとりにある水をつかさどる水屋神社では湧出する水を容器で持ち帰る人が途切れない。
門前の大宮町の割烹旅館・小川荘で「清流懐石」を賞味した。水がよいので鱒やそばも大変おいしい。もちろん富士宮やきそばも忘れられない名物である。
〈交通〉
・JR身延線富士宮駅から浅間大社まで徒歩10分
〈問合せ〉
・富士宮市観光協会☏0544・27・5240
・静岡県観光協会☏054・202・5595