風土47
お盆そば

>バックナンバー 2009年6月

 こんにちは、金昭英です。

 韓国では6月末から梅雨が始まり、毎日蒸し暑い日が続いています。

 ところで、皆さんは「お盆そば」をご存知ですか。韓国では、鳥カルビや豚足などのお店でメイン料理を食べた後、仕上げで食べるおそばです。カルビを食べた後に冷麺を食べるのと同じ感覚ですね。夏バテで食欲のない時などにはメイン料理としても好んで食べます。

 日本では冷麺がよく知られていますが、韓国では、お盆そばも冷麺と同じく夏に食べる身近な食べ物です。食欲をそそることはもちろん、蒸し暑さを一気に飛ばしてしまうほどの味です。


「お盆そば」とは?


お盆そば盛り付け
◇きれいに盛り付けされた色とりどりの野菜を見ただけでもおいしそうでたまりません。

 お盆の頃に食べるからお盆そばということではなく、丸くて平たいお盆のようなお皿に盛って出すことからこの名前が付いたそうです。

 お盆そばは、お皿の真ん中におそばをおいて、その周りにピョニュク(柔らかく煮た牛肉)といろいろな野菜(にんじん、春菊、ごまの葉、キャベツ、サンチュ、きゅうり)と 、ゆで卵やりんごを食べやすく切ったものを具として乗せるのが一般的ですが、お店によって具の内容は多少違います。

 その上から韓国独特の醤油たれ (濃いお醤油に、葱やニンニク、唐がらし、ごま、ごま油等を入れて作ったソース)をかけて食べます。一番最後に、お好みで干しぶどうを振りかけることもあります。

これが韓国のおそば
◇見た目は日本のおそばとあまり違いがありませんが、そばの風味が
  それほど強くなく細いコンニャクを食べるような歯ごたえがあります。
よく混ぜていただきます
◇優しいお店のおばさんがお盆そばを丁寧に交ぜてくれて、一段と美味しくいただきました。

 こしのあるおそばとぱりぱりした野菜の取り合わせは口の中を楽しくさせてくれますし、甘辛いたれは夏バテで失った食欲を取り戻してくれるのです。また、麺の量より野菜の量が多いので、女性のダイエット食としても人気があります。

 最も少ない「小」を頼んでも2〜3人で食べられるのでお得感があり、いっそうおいしく感じます。

 お値段は、小(2,3人前):10,000ウォン、中(3,4人前):13,000ウォン、大(4,5人前):15,000ウォンくらいです。  

 今回は、韓国内に40ほどのチェーン店を持つ「開城おばあさんポッサム」で取材しました。ポッサム(茹でた豚肉を野菜に包んで食べるヘルシーな料理)がメインですが、もちろんお盆そばもおいしいのです。

美味しそうに混じりました
◇全部混ぜるとこんな感じです。私はコチュジャン(韓国の辛みそ)を付けて食べるのが好きです。

 韓国でも「そば」は高地で収穫されたものが味が良いとされ、江原道が主産地。なかでも、平昌郡の蓬坪(ボンピョン)という町では、毎年9月に見渡す限り一面に咲くそばの花を愛でる「そば花祭り」が開かれるほど盛んに栽培されています。

 それでは来月をお楽しみに!

  • 金昭英(キム・ソヨン)1979年江原道江陵市生まれ
    東京の語学スクールで日本語を学び、現在は水原市で日本語通訳として働いている。