風土47
スンデ

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 こんにちは、金昭英です。韓国も秋を迎え朝夕は寒いくらいです。

 さて、今回はスンデを紹介してみたいと思います。

 スンデとは、豚の腸などに具材を詰め、蒸したり茹でたりして作る腸詰め(ソーセージ)のことです。トッポッキと並ぶ韓国の代表的な屋台料理で、安くて美味しくてボリューム満点、栄養もたっぷりとまさに庶民の食べ物です。

 通りの屋台はもちろんスンデを提供する専門店もいたるところにあり、長い伝統と共に愛されてきた韓国の代表的な庶民の食べ物です。

「スンデ」とは?
スンデ
◆これがスンデです。ちょっと不気味ですが、食べると美味しいのですよ…
 西洋のソーセージのように、スンデにも多くの種類があります。中に詰める具材や腸詰めに使う皮などが地方によって異なり、それぞれに特色のある味を楽しめます。

 ここでは、その中からポピュラーで良く食べられているスンデを紹介しましょう。

 もっとも代表的なスンデといえば、平安道の「アバイスンデ」でしょう。アバイスンデは、豚の小腸に、もち米、白菜、韓国春雨、ニンニク、唐辛子、えごまなど約15種以上の具材を詰めた柔らかな食感が特徴です。スンデ専門店や屋台などいたるところでもっとも人気があるスンデです。

 他に、牛の小腸を使い、その中に野菜や豆腐、豆もやしなどが入っている京幾道の「ペガムスンデ」、豚の小腸の中に、春雨、豆腐、血液、野菜、もち米、えごま粉を交ぜ豚肉の脂っこい味をなくした忠清道の「併川スンデ」があり、これらが韓国三大スンデといわれています。

 これらの他にも本当にたくさんのスンデがありますが、次の機会にでもご紹介しましょう。

水原ジドン市場「スンデタウン」
◆ビルのワンフロアが仕切り壁なしで開放され、
60軒以上の店鋪がぎっしりと詰まっています。

 1990年代、ソウルの新林洞に「民俗スンデタウン」というビルが建てられ、地域のスンデ専門店がこのビルに集まったことで観光新名所として脚光を浴びました。その後、全国各地に同種の施設が作られ、スンデは第二の全盛期を迎えているといわれています。

 今回は、100年の伝統を誇る水原ジドン市場の中にある「スンデタウン」を取材して来ました。 ここは、ビルのワンフロアに60軒を超すスンデ専門店が出店しており、全国各地からお客さんを集めています。

 スンデタウンのドアを開けて入った瞬間、ビルの1階にぎっしりとスンデ専門店が並んでいる光景には茫然としてしまいました。

オンマネ
◆オンマネの店内

 気を取り直してどのお店にするか迷いながら歩くうちに、一番奥にあるオンマネ(ママのところという意味)というお店にたどり着きました。

スンデ炒めの材料
◆スンデ炒めの材料。右は韓国の春雨。

 お店に入り、さっそくスンデ炒め(スンデボックム)を2人前頼みました。

 スンデ炒めは、なかなか大がかり(笑)な仕立てで、鉄板でできた平たい鍋にスンデとホルモンをのせ、その上にキャベツ、えごまの葉、春菊、にんじん、たまねぎ、長葱をたっぷりとのせます。さらに韓国春雨と薄切りの米もちをのせ、味付けしたコチュジャンソースをいれてえごま粉をたっぷりとかけます。そしてここにスープを注いで火にかけます(このスープも約10種類の素材から作るそうですよ)。

スンデ炒め
◆スンデ炒め

 スープが少なくなるまで、かけ混ぜしながら待ちます。

 その間、サービスで出してくれたサイダーを飲みつつ店内の雰囲気を観察してみました。 スンデタウンは靴を脱いで上がるお店が多いため、家庭で食事をするようにくつろいで楽しんでいる人が多いようでした。

オンマネのママ
◆オンマネのママ

 市場の歴史が古いせいなのか、一見強そうな店のおばさん達もどことなく人情深い昔の市場の人々と似ているような気がしました。スンデのイメージと同じように…

スンデ炒め
◆食べ頃のスンデ炒め。右はチャーハンです。

 さて、スープがほとんどなくなったのでお皿に取って食べます。

 私は柔らかいホルモンともちもちする餠をえごまの葉の香を楽しみながら食べるのが好きですが、一緒に行った友人はホルモンが苦手で、スンデと春雨を野菜を一緒に食べるのが好きなのだそうです。

 ちょっと見は辛そうですが、えごまの粉がふんだんに使われているので、辛さが抑えられて香ばしくなります。こだわりのコチュジャンソースとスープが炒めものでありながらも深い味を出してくれますし、陽気でやさしいおばさんと店の雰囲気がさらに味を高めてくれます。

 食べ終わったあと、残ったソースにご飯をいれチャーハンを作ります。これがまた一つの大きい楽しみで、鉄板で焦げ目がつくほど炒めてから食べるのもおいしいのです。

 と書きましたが、実は量が多くて 2人前を食べ切れませんでした。3人ならばスンデボックム2人前とチャーハン 1人前が最適な量だと思います。

 次回は3人で行ってチャーハンまで挑戦しようと思います。

スンデ専門店のメニュー
◆スンデ専門店のメニュー。右はスンデクッパ。

 スンデ専門店のメニューはどこもほとんど同じです。そのまま温めて塩胡椒やおみそにつけて食べるスンデ(1人前3000ウォン)、長時間豚の骨を煮込んだスープにホルモン、豚頭の肉を切ってご飯と一緒に入れて食べるスンデクッパ(1人前6000ウォン)、野菜と一緒に炒めるスンデ炒め(1人前7000ウォン)がメインです。

 それでは来月をお楽しみに!

  • 金昭英(キム・ソヨン)1979年江原道江陵市生まれ
    東京の語学スクールで日本語を学び、現在は水原市で日本語通訳として働いている。