
韓国の梅雨入りは例年なら6月末頃ですが、今年は一週間ほど早く始まりました。
蒸し暑い日が続いていますが、今年はサッカーワールドカップ応援のため、皆暑さを忘れているようで、どこへ行っても話題はワールドカップです。
韓国戦がある日は誰もが赤いTシャツを着て応援します。

ナヘソック通りにあふれる韓国サポーター/水原駅前のパブリックビューイング
【ナヘソック通り】韓国人女性として初めて、美術教育を受けるために1913年東京へ留学し、1918年に東京女子美術学校を卒業して韓国初の女性洋画家になったナヘソックを記念して、この道をナヘソック通りと呼ぶようになりました。
ここでは多くの公演やイベントが開かれますが、この日はサッカーの応援をするために雨が降っているにもかかわらず多くの人々が集まりました。

ナヘソック通り。右は彼女の銅像
韓国・ウルグァイ戦があった日、私も赤いTシャツを着て水原の繁華街にあるナへソック通りという広場に出かけました。
試合が始まる前に、その近くある行き付けのビビンクッス(混ぜそうめん)専門店によりました。この店は知り合いのすすめで去年から通っている店です。
味だけではなく変わらない親切さが気に入って今年の夏にコラムに紹介しようと取っておいたお店なのです。

お気に入りのビビンクッス専門店
韓国の麺といえば、日本の人は真っ先に冷麺を思い浮かべるでしょうが、冷麺に負けず劣らず人気があるのがクッス(そうめん)です。
冷麺はじゃがいもやさつまいものでんぷん、またはそば粉を原料として作り、冷たくして食べますが、クッスは小麦粉が原料で、夏には冷たく冬は温かく料理して食べます。
この店のメニューはシンプルで、ビビンクッスの他に三つほどメニューがありますが、ビビムクッスが一番売れています。 メニューが少ないということは、出している物に自信がある証拠だと思います。

一番人気のビビンクッス/シンプルなメニュー。ビビンクッスは5000ウォン(大盛り6000ウォン)
いくら忙しくても麺は必ず注文が入ってからゆで、素早く氷水でぬめりがきれいに取れるまで洗うので、麺がよりシコシコしていて、味もしっかりしています。
バンチャン(付きだし)がたくさん出る韓国でも、麺を食べる時にはキムチまたは酢付けの大根スライスが付く位ですが、このお店では珍しく自家製の白キムチです。とてもさわやかで新鮮な味が甘辛いビビンクッスとぴったりなのです。
それと、ヤンニョム(タレ)はこの白キムチを熟成させて取れた汁に、唐辛子、醤油、砂糖や梨、キウィ、パイナップルのすりおろしなど約30種の材料を入れて作るので、普通の甘辛さとは違って味が深いです。
このヤンニョムがおいしくて多めに入れて欲しいという人が多いので、今は言わなくても最初からたっぷりと入れてくれます。
そしてもう一つ、牛の脚の骨とねぎ、たまねぎ、生姜など7種の野菜を入れて長時間煮込んで作ったスープを一緒に出してくれますが、これもまたやみつきになるほどおいしいのです。
まず、ビビンクッスで暑さを取り去り、次にこのスープを飲むと体がほっとします。

左から、自家製白キムチ、特製スープ
頻繁に行くお店ですが、いつも同じ味で一度もがっかりしたことがありません。韓国や日本、オーストラリアの友人たち、それに食べ物には厳しい私の母もおいしいと気に入ってくれました。
◎ハングル単語メモ
・비빔국수(ビビンクッス) 混ぜそうめん
・장마(ジャンマ) 梅雨
・축구(チュック) サッカー
- 金昭英(キム・ソヨン)1979年江原道江陵市生まれ
東京の語学スクールで日本語を学び、現在は水原市で日本語通訳として働いている。