風土47
bn_bar
全州ビビンバ(전주 비빔밥)

 年末に全羅北道全州に行ってきました。2011年1月号では「全州マッコリ」をご紹介しましたが、今回は名物の「全州ビビンバ」をご紹介しましょう。

photo01
千年以上の歴史を持つ古都全州の街角

 ビビンバはご飯に色々な具材をのせ、良くかき混ぜてから食べる料理で、日本でもすっかりポピュラーになりました。

 日本で食べる一般的なビビンバは韓国とほとんど変わりませんが、韓国では地域によって少しずつ異なる食材が使われ、それぞれが特色を持っています。その中でも全州のビビンバが最高とされ、とても有名です。

photo02
全州ビビンバの名店・家族会館の外観 / 店内のようす

 全州ビビンバに使われる食材は30種類もあります。主な食材は、米、もやし、コチュジャン、ユッケ、ゴマ油、卵などです。

 良い水で育てられたもやしとユッケを使うことと、牛骨を長時間煮込んで作ったスープでご飯を炊くのが全州ビビンバの最大の特徴といえます。スープでご飯を炊くことにより、炊き上がった米粒が互いにくっつかないため、具材とスムーズに混ぜることができ、またご飯にツヤが出るので見た目にもおいしく感じます。

photo03
バンチャンのお盆とビビンバ用の器がずらり / テーブルの上に並んだバンチャン(おかず)

 その他に具材として、ホウレン草、ワラビ、松茸、シイタケ、大根、ズッキーニ、キュウリ、ニンジン、長葱、春菊、サンチュ、ニラ、クルミ、銀杏、栗、ノリなど野菜が主です。

 ユッケ以外のすべての材料は、塩、醤油、ゴマ油、ゴマ、ニンニクなどで茹でたり油で炒めたり和えたりします。ユッケは新鮮な生の牛肉を細かく刻んで醤油、ニンニク、ゴマ油、塩、ゴマ、酒、梨を入れて作ります。

主立ったバンチャン(おかず)を並べてみました
photo04
韓国式の茶碗蒸し / ワカメの酢の物 / 豆もやしのスープ / 全州の伝統酒「母酒」 photo05
きのこの和えもの / 豆で作ったムック / きのこの和えもの / えごまの葉の漬物 photo06
ホウレン草のナムル / ジャガイモの醤油煮 / ニンニク茎の炒め物 / 豆もやしのナムル

 器にご飯をよそって、その上に具材の色を合わせてきれいに盛り付け、真ん中にユッケをのせ、さらにその上に生卵の黄身をのせると完成です。

photo07
これが全州ビビンバです / 良くかき混ぜて食べます
 沢山の食材を使用しますが、それぞれの特性に合わせて調理されており、塩分も控えめで、素材の味が生きていながら一緒に食べても自然な味がします。コチュジャンが入っているので少し辛いですが、卵の黄身が味を滑らかにし、新鮮なユッケがさらに味をおいしくします。ソウルなどで食べる一般的なビビンバより薄味ですがとても上品な味がします。

 今回お邪魔したところはカゾッフェグァン(家族会館)というお店で、全州ビビンバの作り方を忠実に守っている名店です。全州には至るところにおいしいビビンバ専門店がありますので、特にこだわることなく試してみても良いと思います。

 お値段は1人前12,000ウォンと少々お高いですが、手がたくさん掛かる料理なので作った人のことを考えるとそれほど高い気はしません。

photo08
店内に置かれた漬物や醤油などが入った甕 / 道端にも沢山の甕が積み上げられていました

 日本人はビビンバを少しずつかき混ぜながら食べますが、韓国人は完全にかき混ぜてから食べるのが普通です。韓国へ旅行した時、お店でビビンバを食べようとしたら、隣のテーブルに座っていた韓国人のおばさんがイライラした様子で器を取り上げ、良くかき混ぜてくれたという話を日本人の知り合いから聞いて思わず笑ってしまいました。

  • 金昭英(キム・ソヨン)1979年江原道江陵市生まれ
    東京の語学スクールで日本語を学び、現在は水原市で日本語通訳として働いている。
gp