

8月が終わると「ああ今年もあと少しだな…」と思います。と言うのも、最近は2カ月毎のカレンダーが増え、8月をめくると、あと2枚。“じぇ、じぇ、今年も終わりか…”。そして京都は、これから一気に紅葉シーズンに向け動き出します。桜は短期決戦ですが、紅葉は長期。紅葉の時期に京都旅行をご計画の方は宿だけ先に押さえた方が無難ですね。毎年、色づきの時差はあるものの、やはり11月23日の勤労感謝が絡む連休が、紅葉も人出もピークです。でも初秋も晩秋も美しくお薦めですので、混雑を避けたい方は11月中旬か12月上旬に計画なさってください。

写真:京都の紅葉 洛北の蓮華寺


写真:鉄ちゃんも喜ぶ、阪急電車の「京トレイン」車両パッケージの八ッ橋(聖護院八ッ橋総本店)

写真:春の風物詩「都をどり」舞妓さんイラストの可憐な八ッ橋パッケージ(聖護院八ッ橋総本店)

写真:武将や歴史人物の家紋入り八ッ橋パッケージ。坂本龍馬とお龍の商品(京町家本陣)
美味しさ、希少価値はさておき、私の経験上、「八ッ橋」の凄さをいつも実感します。「なあ~んだ“八ッ橋”か」と思うなかれ。八ッ橋も日々進化しています。多少、京都が詳しくなると、定番土産に己が満足せず、「美味しい、希少価値の高い京土産」を探し出し、わざわざ行って購入。そこまで気を掛けて(まあ自己満足ですが)、足を運んで(観光に費やす時間と労力を犠牲にしてまで店に向かうことも)、「はい、お土産」と自信を持って渡します。ところが…「なぁ~んだ、八ッ橋じゃないのか(違う土産なのね…というニュアンス)」と言われ…私、沈黙、撃沈。「そうよね、そうよね、京都土産=八ッ橋、その方程式が世の中の常識なのよね」と心で嘆くこと再三。八ッ橋の知名度の高さ、不動の人気を思い知るのです。八ッ橋は比較的安価で京都駅でも買えて(東京でも買え)、購入に苦労はしません。確かに餡も色々あり、パッケージも多種多様で季節限定ものもあります。(写真の3点、パッケージが特徴的)そういう意味では、やはり「八ッ橋」なのかな…と。余計な事ですが、八ッ橋はウエハースのような添え方でバニラアイスと良く合います。七輪で生八ッ橋を焼いて、香ばしくすると、また違った味わいです。お試しください。

写真:生八ッ橋で作った季節の生菓子「祇園祭」限定版(nikiniki)


写真:祇園祭限定販売の「月鉾」大吟醸と吟醸(限定ゆえ、現在販売なし)

写真:嵯峨野観光鉄道「トロッコ電車」のデザイン「嵯峨野」のワンカップ(嵯峨野観光鉄道)

写真:フリーズドライの賀茂茄子しば漬け、軽いので、これなら数買っても持ち帰れそう(森乃家)

写真:小茄子に白味噌、絶妙な味わいで、懐かしさもある「雲母漬」(穂野出)
お菓子以外の京都土産と言えば、思い浮かぶのは「京漬物、伏見の酒」あたりでしょうか。漬物もお酒も、持ち帰るには重いという物理的事情がありますが、それさえクリアできれば、喜ばれること間違いなし。私も「重いな」と自問自答しながらも、現地限定モノには弱いので、つい買ってしまいます。しかもお土産ではなく自分用…今年の祇園祭では「月鉾」が限定酒を出したので早速購入しました。
「月鉾」ゆえ、9月の中秋の名月に呑もうと企んでいます。ああ、楽しみ!楽しみ!あとお酒で言えば、手軽なワンカップ。これは味よりも、カップのデザインが、その土地の風景や名物を現わすものも多く、お土産にお薦め。
一方、漬物は賞味期限の短いものなら家族に、長いものは友人知人用でしょう。これも1つ2つならまだしも、数を買うと重いですのでクール宅急便を利用が最適です。それからフリーズドライした漬物商品もあるので、それは軽くて賞味期限も長めです。食べたい分に水を加え、戻すだけ、お試しを。
京都には美味しい漬物が多くて迷いますね。11月からは、千枚漬が出回ります(3月位までの期間限定)。漬物事情は長くなるので、詳しくはまたいつの日か。あえて漬物の一押しは、その店でしか買えない価値もある穂野出の「雲母漬」。京都らしい白味噌を使用、親指の爪ぐらいの大きさの小茄子との相性も良く、美味しいです。
「わざわざ行って買ってきてくれたのだな…」と感激も伴う、知る人ぞ知る京土産。商品をご存じの方の限定的な価値観ですが、もし機会があれば是非一度、足を運んで、皆様も召し上がってくださいませ。紅葉名所の寺社が多く、秋の散策にもってこいの“一乗寺のエリア”で、穂野出さんは商いしておられます。


写真:京野菜カレー、賀茂茄子カレーなど。レトルトパックでお手軽(京都伊勢丹スバコ)

写真:京野菜を使った味噌汁、お吸い物、けんちん汁など数種類あり、どれも美味しい(京都伊勢丹スバコ)
さて最後に京の伝統野菜「京野菜」。代表的なのは賀茂茄子、万願寺唐辛子、堀川ごぼう、鹿ケ谷かぼちゃ、九条ねぎなど。他府県でも栽培され有名になった水菜も京野菜の一種です。その加工品は今や、情報収集つかないほど多様化しています。伝統野菜が見直され、京野菜に注目が集まり始めた頃は「京野菜カレー」程度しかありませんでしたが、今は「京野菜ケーキ」「京野菜シュー(クリーム)」「京野菜スープ」「京野菜麺」などもあります。
中でも京野菜の加工品で、その特長を大いに生かして、お土産に適しているのは「椀」ものだと私は思っています。大勢に配るにも重宝。お湯そそぐだけで本格味噌汁、お吸い物と言われるようなレトルト椀です。その京野菜シリーズが旨い。
インスタントも商品開発が進んで、本当に本格的で美味ですね。種類も多く、全部食べてみたい!と最初は土産ではなく、自分のランチ用にご購入。その後、京野菜の特長が活かされている種類を土産にしています。なかなか好評です。
さて、私的な京土産事情をお伝えしてきましたが、お土産を「買う、届ける」は「旅人」の大切なワンシーンですね。お土産がその土地の顔になることもあります。その意味では自分の住む町の自慢のお土産の把握も大切ですね。
お土産は美味しい!に越したことはありませんが、私は美味しさよりも、パッケージの柄やイラスト、写真、説明文、製造者の住所に風景を重ね合わせます。「旅行、楽しかった?」と旅人に話を聞きつつ、自分が行った土地であれば、また思い出し“ひと時の小旅行気分”になるのが好きです。旅の余韻を共有する、そのきっかけが“お土産”なのかもしれません。
注意:写真掲載した商品は期間限定品もあります。現在、どこで販売しているか否かはお問い合わせください。(〇○)が製造メーカー・購入店舗。
- 聖護院八ッ橋総本店 電話075-761-5151
- 京町家本陣 電話075-231-9415
- nikiniki 電話075-254-8284
- 京都伊勢丹・スバコ 2階食料品・土産コーナー 電話075-352-1111
- 月鉾保存会 電話 075-255-0349
- 嵯峨野観光鉄道 電話 075-871-3997
- 森乃家 電話 075-811-8778
- 穂野出 電話075-781-5023