


…ということで、今回は宮城・松島・伊達家と東京、そして京都を繋ぐ、お話しです。


松島・瑞巌寺本堂 写真提供:(公社)宮城県観光連盟

伊達政宗騎馬像 写真提供:(公社)宮城県観光連盟

仙台市博物館 写真提供:(公社)宮城県観光連盟
修復工事の最中に、あの東日本大震災が起りました。幸い、津波は本堂まで達しなかった上、修復中であったにもかかわらず震度6に耐えました。瑞巌寺には国宝の欄間彫刻、狩野派や長谷川派による障壁画があり、絢爛豪華な安土桃山文化を感じる貴重な文化財です。
本堂を東京に運ぶわけにはいきませんが、今回、東京・三井記念館で行われる展示会には、本堂の障壁画や欄間などが目玉となっています。
また仙台藩・伊達家と言えば仙台にある仙台城跡「青葉城」が有名です。伊達家62万石、1610年に築城された伊達家の居城は標高130mの高台にあります。徳川幕府に遠慮して、初めから天守閣はなかったそうです。現在、当時の建物は残っていませんが、石垣が歴史を物語ります。
その城跡公園に建つのが、あの「伊達政宗の騎馬像」。歴史上の人物の銅像が各地にありますが、カッコよさとしてはNo.1ですね。この他にも城跡近くの仙台中心部にある伊達家ゆかりのスポットとして、政宗公の霊屋「瑞鳳殿」、政宗が創建した「大崎八幡宮」、政宗の武具などを所蔵する仙台市博物館などもあります。


海寶寺本堂

政宗ゆかりの名木・木斛
伊達政宗は戦国時代を経て、豊臣政権の世になると秀吉から土地を与えられ、1595年、伏見に屋敷を設けます。現在、桃山町正宗という住所のあたりです。伏見屋敷には重臣や妻子を住まわせ、常時1000人以上がおり、屋敷の一帯は「伊達町」とまで称されたそうです。1599年あたりまで、政宗自身も伏見で暮らし、また、その2年後に上洛した際にも、当地に住んだと言われています。その跡地に現在あるのが黄檗宗「海寶寺」(かいほうじ)。普茶料理や伊藤若冲の襖絵(現在は京都国立博物館所蔵、寺には今年、復元した作品を置く計画あり)がある寺として知られています。境内には伊達政宗が植えた木斛(もっこく)があり、その縁を今に伝えています。
またこの伏見以外にも深草に伊達家の下屋敷があり、現在は地名として「西伊達町、東伊達町」として残っています。


浄住寺の方丈

浄住寺の方丈からの庭園

浄住寺 本堂

浄住寺 参道
さて、この浄住寺は苔寺で有名な西芳寺の近くにあります。近年まで非公開でしたが、このところ公開。創建は古く、810年、嵯峨天皇の勅願寺として建立。1261年、葉室定嗣が中興するも、その後も度々、兵火によって荒廃。葉室家に支えられながら、宗派も変わりつつ、現在は黄檗宗寺院。本堂には釈迦牟尼仏坐像が安置されています。秋の境内は紅葉がとても美しいので是非。人もあまりおらず、穴場です。
今回は伊達家を中心に本拠地であった仙台と松島のご紹介と、その寺宝が東京・三井記念館に今秋やってくるよ!のお知らせ、そして伊達家ゆかりの京都をお届けしました。