風土47
今月の特集「花粉症や風邪は大丈夫ですか? 季節の変わり目 健康を保つ」
ホームパーティを盛り上げよう さむ~い冬に あったか~い鍋 受験生、残業の人たち応援 夜食 この一品
冬から春への変わり目に当たる3月。
体調を崩しやすい時期ですが、年度末で仕事や行事が目白押し。
なかなかのんびりもできません。
今月は、そんな忙しい時でも手軽に食べたり飲んだりできる健康に効果のありそうな品を選びました。
体を健やかに保って、元気に桜の季節を迎えましょう!
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅のペンクラブ、日本旅行作家協会会員)
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
 また、商品の価格は掲載時のものですので、変動があることをご承知おきください。
長井市・ひなた村
行者菜(1束 158円)
 行者菜(ぎょうじゃな)は、行者にんにくとニラを掛け合わせてできた山形県長井市の特産品だという。行者にんにくは、その昔、修験者が荒修行の際、精力をつけるために食べたといわれる希少な山菜。ニラも栄養豊富だから、季節の変わり目に体力補給にぴったりの食材だ。3月が旬だという。
 ニラ玉風に、卵と炒めて「塩コショウ+ごま油少し」で食べてみた。おいしい。ほんのりにんにくの香りがして、食感はニラよりも葉肉がやわらかく粘り気がある。この粘り気がいかにも体に効きそうだ。食べているそばから血液が澄んでいくような、そんな気分になる。一束あっという間に食べられてしまうので、ご家族の多い方はぜひ二束どうぞ。
行者菜
杉檜茶
郡山市・中郡茶舗
杉檜茶(5g×15 1050円)
 花粉症の人にとってはツラい季節。お悩みの方にこのお茶はどうだろう。
 昔から春山に入る山師は、杉を煎じて飲んだと言われる。それをヒントに作ったこのお茶は、杉や檜の葉や茎が入っている。体内にない「花粉」に体が反応しているのが花粉症なら、お茶として取り込んでおけば、外からの花粉を体が異物と感じないのではないか、と考えて考案された。
 実は、去年の花粉の季節の前、取材中に見つけて買って飲んでみた。私には効いたような気がする。茶葉が細かいので、お湯を注ぐとあっというまに成分が出て、あたり一面、杉と檜の香り。まさに杉と檜のエキスを飲んでいるような気分なのだが、すっと鼻通りがよくなって、心なしか免疫ができていくような気分に……。毎日飲んでいたら鼻水のズルズルが止まったという人も。
 急須に1パック入れると濃いので、袋を破って2~3回に分けて使うのがおすすめ。
三宅島・西野農園(三宅島アシタバ加工研究会)
伊豆諸島のアシタバ粉末 青汁(1箱 2500円)
 伊豆諸島に自生する「明日葉(あしたば)」は、「今日、芽を摘んでも明日には芽を出す」と言われるほど生命力の強い植物。豊富な食物繊維や栄養素を含み、健康食品として注目されている。
 この青汁は、無農薬栽培の厳選した明日葉のみを使用し、自社工場で加工されている。
水に溶かして飲むのはもちろん、牛乳、はちみつに合わせてもおいしい。野菜不足を感じたら、手軽にビタミン類を補えそう。
 明日葉の栄養素は熱にも強いので、この粉末でパスタを和えるなど、料理にも使える。産地では焼酎割に加えるのも一般的だという。二日酔い防止にも効果があるかも。
伊豆諸島のアシタバ粉末 青汁
あおばな緑茶
草津市・草津市農業協同組合
あおばな緑茶(500ml 150円)
 “あおばな”は琵琶湖のほとりの滋賀県草津市にだけで栽培されている植物。昔は京友禅の下絵用の染料などに用いられていた。
 最近では、血糖値の上昇を緩やかにし、余分な糖の吸収を抑える効果が発見され、一躍、健康食品として注目されている。このお茶は、日本五大銘茶と言われる朝宮茶の茶葉とブレンドして、とっても手軽で飲みやすい。
 口に近づけると、香ばしい茶葉とプルーンのような甘酸っぱい香りが漂い、味は生の栗を少しかじったようなかすかな渋味が残る。なかなか飲みやすくておいしい。この渋みが元気にしてくれそうな1本。
須崎市・吉平商店
吉平の土佐あわせしょうが(360ml 1050円)
 これはおいしい! 高知県産の生姜の搾り汁と上白糖だけで作られている。無水、生搾りだという。水やお湯で6~8倍に薄めて飲んだり、料理にも使える。
 生姜の生搾りと聞いて刺激的な辛さを想像したが、とんでもない。生姜の味はしっかりするのに、とてもまろやか。砂糖の甘みもちょうどよく、ゴクゴク飲めてしまう。お湯で薄めて飲むと、飲んでいるそばから体が温まってくるのが分かる。季節の変わり目、ぜひ冷え性の女性には常備してほしい一品。
 かつてあった広島のアンテナショップの大ヒット商品に、佐伯チズさんおすすめの「生姜でpo」(ショウガの砂糖漬け)があったが、こちらの方が即効性がありそう。ジンジャラーならずとも、ぜひお試しを!
吉平の土佐あわせしょうが
さかな味噌
姫島村・かなんど工房
さかな味噌(80g 650円)
 国後半島の沖、瀬戸内海西端に浮かぶ姫島の女性たちが手作りしている商品。「金頭(かながしら)」(地元では“かなんど”と呼ばれる)という魚で作られている。
 「かなんどはすごくおいしい魚なんですけど、小骨が多いんです。お母さんたちがその骨を1本1本手作業で取り除いて作るので、1日に何十個もできないんですよ」と、この日も坐来の担当Tさんが熱心に説明してくれた。TBSの「伸助社長のプロデュース大作戦・めし友グランプリ」で九州代表に選ばれたという。
 生姜入りの方を買ってみたが、なるほど、おいしい。さかな味噌というより、魚のほぐし身に味噌をつけて食べている感じ。身がたっぷり。ほどよい甘辛さで、まさにやさしいおふくろの味。生姜の香りも食欲をそそる。これでモリモリご飯を食べて、季節の変わり目を乗り切りましょう。
おまけ1
みまから(徳島県美馬町) 24g 315円(税込)
 これ、おいしいです。特産の青唐辛子を鰹節や酒、しょうゆで煮込んだもの。徳島県の方に「すごく辛いけど、おいしいですよ」と、いただいたのですが、ほんと、味わいがある辛さでやみつきになります。
 七味代わりにうどんの薬味として入れたり、塩コショウで焼いた鶏肉にユズコショウ風に付けてもおいしい。七味やユズコショウよりパンチのある辛さになります。「なっ!とくしま」で買えます。

※関連記事:アンテナショップ揃い踏み 2011年2月号
みまから
玉ドーナツ
おまけ2
玉ドーナツ(北海道札幌市)
 
 あるお仕事で、北海道にしか出回らない玉ドーナツを食べる機会に恵まれました。これがおいしかったので、ぜひ、北海道に旅行された際は食べてみてください。
 北海道フーディストにも置いてある月寒あんぱんや月寒ドーナツを製造する「株式会社ほんま」の商品。ネットでも評判になっていましたが、しっとりとしたこしあんと独自のブレンドだという生地の取り合わせが絶妙。おいしいあんドーナツってなかなかないですが、これはおいしかったです。大きさも手ごろだし、脂っぽさも感じず、つい2個,3個と手が伸びます。