風土47
家族・友だち・お世話になった人へ!手土産ならこれPartⅡ
3月は冬から春への変化の月ですね。
初旬はまだ寒いのに、しだいに春の気配が濃くなり、下旬には桜の開花のたよりも届きます。
季節も変わりますが、年度末で組織なども変化する月。
改めてお礼を…と誰かを訪ねる機会も増えるのではないでしょうか。
そんな時に便利な手土産の特集です。
気張らず、でも心のこもった素敵なプレゼントを贈りましょう。
もらったらうれしい、話題の品を集めました。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅のペンクラブ、日本旅行作家協会会員)
各ショップお勧め「手土産の一品」
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
 また、商品の価格は掲載時のものですので、変動があることをご承知おきください。
<久慈市・㈱佐幸本店>
山のきぶどう(600ml 1,785円)
 人からもらって初めてその良さを知る…。そんな商品の代表格かもしれない。
 山のきぶどうは、岩手県名産(全国の約6割を栽培)の“山ぶどう”を使ったストレート果汁。山ぶどうはあまりなじみがない果実だが、鉄分やカルシウム、ポリフェノールなどが豊富に含まれ、地元では“天然のサプリメント”ともいわれるほど栄養価が高い。昔から産前産後や体調不良時の栄養補給に活用され、今も出産祝いのカタログに山ぶどうのジュースが掲載されていたりするという。
「まとめ買いをされるお客様もいらっしゃいますよ」とショップのNさん。貧血気味の女性などに贈ったら特に喜ばれそうだ。
山ぶどうは酸味も渋みも強いが、この商品は独自の高温瞬間殺菌と真空低温保存によってほどよく除き、飲みやすくしてある。
山のきぶどう
あきたロール
<秋田市・㈱菓子舗榮太郎>
あきたロール
(1本 1,050円)
 多くの人に愛されるロールケーキ、しかも秋田にこだわっためずらしいご当地スイーツなら手土産にぴったりだ。
 とにかく県産品にこだわって作っている。しっとり、もちっとしたスポンジには「あきたこまち」の米粉を使用。そこに大納言と海藻のあおさをちりばめてある。特製クリームは牛乳で炊き上げたあきたこまちと生クリームをあわせ、ところどころに県産の醤油を使ったみたらしゼリーが入っている。そう、ロールケーキなのに、“和”のテイストが満載なのも特徴だ。
 ふかふかの生地としっとり濃厚なクリーム……おいしい。みたらしゼリーの甘じょっぱさやあおさの塩気、大納言の食感などもほどよい味のアクセントに。クリームが濃厚なのにすっきりとした食後感は、和テイストならではなのだろう。重量感があるというか、少量でも満足感があって、食べ過ぎないのもうれしい。
<北山村・北山村販売センター>
じゃばら果汁
(360ml 1,890円)
 これも知る人ぞ知る、もらったらうれしい商品だろう。
 “じゃばら”は、ユズやダイダイのような柑橘系の果実で、北山村の特産品。ユズ果汁と同じように、ポン酢に入れて鍋料理のつけ汁にしたり、サラダや焼き魚にふりかけたり、焼酎の水割りに入れたりして使える。
 なんと言っても注目されるのが、花粉症との関わりだ。じゃばらは花粉症に効くらしい…と昔から言われていたが、2008年に岐阜大学医学部が「じゃばら果汁を飲用すると花粉症の諸症状(くしゃみや鼻水など)が改善した」という統計結果を発表して話題になった。個人差もあるだろうが、試してみたいという方に贈ったら喜ばれるだろう。もともとじゃばらは“邪気を払う”から名付けられた植物。先人たちはこの果実に、何らかの効果を感じていたのかもしれない。
ちなみに、北山村は三重県と奈良県に接し、和歌山県に接していない日本唯一の飛び地の村。人口約500人。小さな村の大きな特産品ですね。
じゃばら果汁
おととせんべい
<高松市・㈲象屋元蔵>
おととせんべい
(6枚 1,050円)
 味はもちろん、話題性もあって手土産におすすめの品。「おとと」は幼児の言葉で「魚」のこと。このせんべいは海産物の半身をそのまま圧縮して使ってある。開けてびっくり。タコやエビがこちらを向いて張り付き、魚と海藻などはまるで絵のようだ。
 象屋元蔵(さきやもとぞう)がこのせんべいを作り始めたのは大正時代。瀬戸内海の海の幸を活かした商品を、と考案したという。
 手間がかかるだろう、というのは一見しただけで分かる。魚介の下処理をしたら姿を整えて乾燥させ、一枚一枚手で焼くのだという。最後に炭火であぶって仕上げるのも手作業だ。
 当たり前だが、エビや魚、そのものの味がする。生地の部分はパリッとして、ほのかな甘みが魚介の塩味を引き立てている。
 保存料などは使用していないので、子どもから大お年寄りまで安心して食べられる。開けた時の「わぁ」という歓声が楽しみな手土産だ。
<熊本市・㈱フジバンビ>
黒糖ドーナツ棒
(10本入り 350円~)
 手土産に持参したら盛り上がること間違いなしの商品だろう。女子サッカーなでしこリーグのチーム「INAC神戸レオネッサ」のユニホームの胸に書かれた“黒糖ドーナツ棒”の文字で一躍有名に。
 差し出したら、「あの黒糖ドーナツ棒ですね!」に始まり、なでしこのワールドカップ優勝の話題や「どうして熊本の会社が神戸のチームのスポンサーになったんでしょうね」など、ひとしきり会話が弾みそう。
 もちろん、食べてもおいしい。外はサクッ、中はしっとり。黒糖が効いていて、揚げ菓子なのに思いのほか脂っぽさも感じない。主力原料である黒糖には、サトウキビを煮詰めてろ過を繰り返すという伝統製法で作られた、沖縄含蜜黒糖を使用。後味のすっきりした純粋な甘さは原料の良さからくるのだろう。
 フジバンビという会社は、もともと青少年のスポーツ育成に力を入れ、社長が岡山県出身だったこともあってINAC神戸レオネッサのスポンサーになったらしい。フジバンビという社名の由来もおもしろいので、ぜひうんちくで盛り上がってください。
黒糖ドーナツ棒
花や果
<那覇市・㈲名護珈琲>
花や果(15枚 1,050円)
 名護市で珈琲農園を営む名護珈琲が作っている。沖縄産の素材を活かした6種類の焼き菓子は、見た目にも美しく、名前の通り「花や果(はなやか)」。一枚一枚手焼きをして、ていねに作られる。
ほのかに茶色の「こーひー」は、沖縄産の純国産コーヒー豆を使用。豊かな香りとほどよい苦みが大人の味だ。「べにいも」は、名護で栽培された紅芋を使い、やさしい甘さに仕上がっている。鮮やかな紫色は素材そのものの色だという。そのほか、沖縄でフーチバーとよばれるヨモギを使った「ふーちばー」、秋ウコンを使用した黄色の「うっちん」、「ごーやー」「どらごんふるーつ」など、沖縄の大自然の恵みをギュッと閉じ込めた味が楽しめる。軽い食感もいい。
15枚と量も多めで、気軽に食べられるので、特に職場への手土産などにおすすめ。
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、 『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html