風土47
 食欲が落ちていませんか?梅雨の季節に食がすすむ この一品
湿度が高い梅雨のシーズンは、なんとなく食欲のない日が多いですね。でも暑い夏に備えて、しっかり食べて体力を維持しておきたい季節でもあります。
そこで、今月はさっぱりと食べられて食がすすむ一品。
見た目は地味ですが、粒ぞろいの品々です。おいしく食べて、うっとうしい季節も元気に過ごしましょう!

取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅のペンクラブ、日本旅行作家協会会員)
各ショップお勧め「梅雨でも食がすすむ品」
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
 また、商品の価格は掲載時のものですので、変動があることをご承知おきください。
<外ヶ浜町・(株)木戸食品>
元祖茶わん蒸し風玉子とうふ(200g 168円)
 ありそうでなかったなあ、というのがこの商品。豆乳たっぷりの玉子とうふの中に、シイタケやタケノコ、鶏肉、ナルトなどが入って、まさに茶わん蒸しのよう。冬は温めて、夏は冷やして食べられるという優れものだ。
 スプーンですくうと、茶わん蒸しよりはしっかり硬め。でもひんやり、つるんと舌ざわりがよくて、食がすすむ。カツオだし、昆布だしがよくきいて、薄味なのもいい。女性でも一丁食べられそうだ。食欲のない時にも食べやすくて、しかも栄養価が高く、おすすめ。
 もともとお豆腐屋さんだった木戸食品の40年を超えるエストセラー。町のお豆腐屋さんが消えていく中で、先代社長が苦心して開発したこのオリジナル商品のおかげもあって、木戸食品は多くの商品を扱う食品会社に発展した。努力は報われるんですね。
元祖茶わん蒸し風玉子とうふ
黒きくらげ
<つくば市・つくばきくらげ販売>
黒きくらげ(50g 1050円)
 「これ、おいしいですよ!」。店長さんをはじめ、茨城マルシュのスタッフの方々、何人にも推薦された商品。きくらげって、中華料理の炒め物で見かけるくらいで、あまり食べたことがなかったけれど……。調べてみると、とても栄養価が高いらしい。キノコの一種で、ビタミンやミネラルが豊富。特に黒きくらげは鉄分が多く含まれる。中国では不老長寿の妙薬として珍重され、血をよくするとして薬膳料理にも欠かせないという。
 「水に1時間つけてもどしたあと、よく冷やして、まずは麺つゆとゴマ油をかけて食べてみてください」と店長。いわれた通りにすると、おいしい! 肉厚で弾力がある。ごま油が香ばしくて、ついつい食べてしまう。炒めものにしてもおいしそうだ。
 少量でも栄養価が高いなら、食欲不振の時の栄養補給にも便利。低カロリーで鉄分が多いなら、女性にもぜひ進めたい食品だ。
<長岡市・まめ工房 歩歩>
ネギ味噌油揚げ(1枚 354円)
 長岡市栃尾の名物といえば巨大な「ジャンボ油揚げ」。大きさはおよそ長さ20㎝、幅6㎝、厚さ3㎝。通常の油揚げの3倍はある。製法も二度揚げなど独特で、適度な弾力やクセのない淡白な風味を作り出している。
 以前、パリッと焼いて、ネギやかつお節をかけ、醤油で食べたらおいしかった。よく焼けた表面にしょう油をかけた時のジュッっという音も食欲をそそる。
 ネギ味噌を挟むのもおすすめだと聞いていたけれど、それが製品化されていた。電子レンジで数分温め、さらにオーブントースターで焼く。そのまま切って食べると、しっとりとした中の生地にほどよい量のネギ味噌が挟んである。何も足さなくていいちょうどよい味付け。手軽に食べられて、食欲のない時にも箸がすすみそう。
ネギ味噌油揚げ
雲南山椒ジャコのり・頼むからごはんください。
<雲南市・いずも八山椒(有)>
雲南山椒ジャコのり・頼むからごはんください。
(80g 500円)
 TV番組で紹介され、出演者のテリー伊藤さんが「頼むからごはんください!」と叫んで、そのまま商品名になったのだという。
 雲南市名産の山椒と海苔を組み合わせた異色の佃煮。これがおいしい。なんと言っても爽やかな山椒の辛みが効いている。山椒ってこんなに上品な味なんだと驚かされた。この山椒の風味を引き立てているのが海苔。海苔が加わると、しっとりとやや粘りが出て、磯の香りがする。食感も風味もまったく違う異色の組み合わせが、それぞれを引き立てている。見た目は地味だけど、間違いなく食がすすむご飯のお供だ。
 メーカーのいずも八山椒が、栽培から商品化まで一貫して行っているという。保存料、着色料は無添加。

<徳島市・(株)柚りっ子>
柚りっ子(130g 420円)
 これもおいしい。ごはんはもちろん、大根やコンニャク、焼いたナス、肉、魚、野菜スティックなど、何につけてもさっぱり食べられて食がすすむ。ユズが爽やかに香り、味噌が甘すぎないのがいい。
 原材料は潔く4つだけ。県内山間部の高齢者が栽培するユズ、米こうじが多く味わい豊かな阿波の御膳味噌、北海道産てんさいを2週間かけてじっくり結晶させたロック氷糖、「鳴門鯛」「三芳菊」という県内の純米酒。保存料、着色料、化学調味料も無添加。高齢化が進み、消毒や収穫が困難になったユズ農家を助け、名産のユズを守りたいと、女性社長が起業して作ったヒット商品だという。平成20年度優良ふるさと食品コンクール農林水産省総合食料局長賞ほか、多くの賞を受賞している。精神もすばらしいけど、とにかく味がいいです。最近、葉物野菜が安いですが、おひたしにも合います。
柚りっ子
かぼすごしょう
<宇佐市・(株)櫛野農園>
かぼすごしょう(50g 450円)
 「九州ではしょう油が甘めなので、料理の味をピリッと引き締めるのにゆずごしょうやかぼすごしょうは欠かせないですね。焼いたお魚やお肉に付けたり、煮物にも入れます。例えば肉じゃがにも入れたりしますよ」。坐来の鶴田さんが、いつものようにさらさらと心地よく説明してくれた。  関東でゆずごしょうが一般的になったのはここ10年くらいだろうか? いつの間にか我が家でも欠かせない一品に。特にこの櫛野農園の製品は辛みや塩味のバランスがよく、香りもよくてお気に入り。今回は7月末から旬を迎えるというカボスを使ったかぼすごしょうにしてみた。ゆずごしょうとほとんど違いはないけれどほんのかすかに苦みがあって、ワイルド感があるような…。鶏肉や白身の魚などに付けると風味を引き立て合って食がすすみます。
◆今月のおまけ
甘露醤油バターケーキ(1000円)
 おいでませ山口館は、最近スイーツが充実しています。店に入ってすぐ正面に、まるでケーキ屋さんのようなショーケースが登場。おいしそうなロールケーキが並んでいます(このロールケーキ風お菓子「くるり」は来月のショップ揃い踏みに登場するのでお楽しみに)。
 館長さんに「おいしいから食べてみて」と試食させていただいたこの甘露醤油バターケーキも抜群においしかったです。ふんわりしっとりして、かすかにしょう油の味がしてバターケーキなのにさっぱりいただけます。当サイトの経営者でグルメなH社長も、左党なのに大絶賛。早速、店頭に見に行くと1000円でかなりの大きさがあり、お得感もあります。日持ちもするので、ぜひお試しを。
甘露醤油バターケーキ
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、 『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html