風土47
暑い季節!辛味、酸味、苦味・・・刺激を感じる一品
梅雨が明ければいよいよ夏本番です。
毎年暑いですが、食事や睡眠に気をつけ、"夏を乗り切る"というより、"夏を楽しむ"くらい元気で過ごしたいもの。
夏を楽しむ第一弾は、夏にいっそうおいしい刺激のある食品特集です。酸っぱい、辛い……夏でも元気になれそうです。
毎月、北からご紹介していますが、今回は刺激の少ないものから並べてみました。だんだん刺激が強くなります

取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅のペンクラブ、日本旅行作家協会会員)
各ショップお勧め「刺激のある一品」
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
 また、商品の価格は掲載時のものですので、変動があることをご承知おきください。
<三原市・三原農業協同組合>
がじゅり!(25g 200円)
 広島県が生産量日本一を誇るレモンの皮を使ったレモンピール。原料となるレモンには、県内でも特に生産量の多い瀬戸内海の瀬戸田(せとだ)地区で、農薬や化学肥料を最小限の量で栽培した「エコレモン」を使っている。皮を薄切りにして砂糖蜜で煮て、乾燥させたものだ。
 袋を開けるとレモンの爽やかな香り。見た目もきれいなレモン色。これだけでもちょっと癒される。口に入れるとまずレモンの香りが広がり、遅れてほのかな酸味と苦み、甘みが混じりあう。味がキツクないので、酸味も甘みもすっと消えていって、最後にレモンの香りと爽やかな苦みがかすかに残る。このかすかな苦みが暑い時は心身をリフレッシュさせてくれそう。袋にジッパーがついているので、オフィスの引き出しやカバンに入れて、ちょっと疲れた時に2、3本ずつどうぞ。
がじゅり!
ゆずスッパイチップス
<小林市・㈲すき特産>
ゆずスッパイチップス(35g 105円)
 これはおいしい! 栗などの特産物で有名な小林市須木(すき)地区で作られたユズのピール。ピールが続いてしまったが、これはこれでとってもおいしいのでぜひご紹介したい。
 この商品のすごいところは、後味の上品さ。口に入れた時はユズの風味も、酸っぱさも、甘さもほどよい刺激で感じるのに、飲みこむと同時にすっと消えて、後味はすっきり。余韻だけが残って「もっと食べたい」と手が伸びる。1袋なんてあっという間だ。普通、柑橘系のピールだと、酸味はほどよいけど、苦みが強かったり、それをごまかすように甘さが強かったりするが、それが全くない。原料のユズがすばらしいのか、味付けが絶妙なのか、おそらく両方だろう。私だけでなく、男性数人も同じ意見だったので、男女とも好きな味だと思う。
 唯一の難点はパッケージ(とネーミング?)。透明の袋でおいしそうに見えない。高級ホテルのバーのおつまみにも、有名パティシエのお菓子の材料にも使えそうなクオリティなのに。須木の皆さん、欲がなさすぎます。
<沼田市・㈱つるまい本舗>
とうがらし梅茶(2g×24袋 630円)
 このあたりから刺激度が増してきます。
 梅こぶ茶に唐辛子を入れるという、画期的な商品。これがけっこうおいしい。日本人が大好きな梅の風味と酸味、昆布のうま味、そして最後に辛さが来る……。なんとなく想像できますよね。
 温かいお茶であることもあるが、一口飲むごとに体温が上がり、最後のひと口を飲み干すと胃がカッと刺激されて、汗が噴き出した。でも、これが心地いい。梅も暑さ対策に効果的だし、唐辛子の辛みの成分であるカプサイシンも消化器系を刺激して食欲増進を促したり、発汗作用を促したりするという。冷房で体が冷えた時などにはぴったりな気がする。夏に重宝しそうだ。
とうがらし梅茶
えびスープチキンカリー「奥芝商店」
<札幌市・大志食品企画㈱>
えびスープチキンカリー「奥芝商店」
(1人前300g 750円)
 辛い!でもおいしい!
 札幌など3店舗を構えるスープカリーの店「奥芝商店」のレトルト商品。奥芝商店は札幌名物スープカレーの店の中でも注目株の一店で、現地では行列ができるほどだという。
 人気の秘密はえびスープらしい。
 袋を温め、皿に盛ると、本格的な香辛料の香りが鼻をくすぐる。スープをすくって口に運ぶと、ピりっと深みのある辛み。そのあとにコクのあるエビの甘さが広がる。おいしい。レンコンやニンジン、ジャガイモもやわらかくて、現地で食べたらもっとおいしいのだろうなあ、と想像を掻き立てられる。
 店名は、店主の祖父が営んでいた商店の名前を受け継いだのだという。掲載できなかったが、その祖父の前掛けをデザインしたというパッケージも印象的なのでぜひ店頭で見てください。
(写真提供/北海道フーディスト)
<勝山市・㈱一本義久保本店>
吟香梅般若刀 甘辛梅酒(150mℓ 630円)
 これもおいしかった商品だ。
 造っているのは、白山の伏流水で有名な勝山市にある蔵元。清酒9割、米焼酎1割をベースとした梅酒に、唐辛子を漬け込んで造るのだという。
 確認していないが、生産量の9割以上をアメリカ方面へ輸出している商品だそうで、そのため般若と日本刀という海外ウケしそうなデザインと名前となっているという。般若の面がちょっと不思議だったので、これで納得。
 梅の香り高く、コクがあってまろやかで、梅酒としてもとてもおいしい。でも最後に梅酒独特の甘さがなく、酒らしい辛さが残る。梅酒好きだけど、最後の甘ったるさが嫌だった私にとっては願ったり叶ったりの品。でも「かなり辛い」「喉にくる」という人もいた。少量サイズで試しやすいので、興味のある方はどうぞ。
吟香梅般若刀 甘辛梅酒
鬼のなみだ
<石川町・あすかエコテック>
鬼のなみだ(70g 550円)
 福島県の中南部にある石川町産の米を、空路でむすばれている沖縄で泡盛にして「コーレーグス」風に仕上げた調味料。コーレーグスは、沖縄で唐辛子を指す言葉で、沖縄の焼酎である泡盛に島とうがらしを漬けた調味料などもコーレーグスと呼ばれる。
 唐辛子入りなので刺激的な辛さが特徴だが、アミノ酸たっぷりなのでうま味も強い。ピザ、パスタ、焼肉、冷麺、鍋物などに一滴加えるだけで「味変」。また違った味わいが楽しめる。
◆今月のおまけ
焼肉のたれ(㈱戸村フーズ)
 前から興味津々だったのが、この宮崎県の焼肉のたれ。宮崎県は、全国で唯一、エ○ラがトップシェアをとれない県だそうです。県民に圧倒的に支持されているのが、この戸村フーズのタレ。
 「このタレは安いお肉でもおいしく食べられます」と聞いて、さっそく安い豚肉で試しました(まあ、いつものことですが…)。
 なるほど、ニンニクが効いて、甘みが強くて、肉の臭みも気にならず、おいしく食べられます。
 聞くところによると、元は精肉屋さんで、お肉を売るために作って配った焼肉のタレが評判になったのだとか。おもしろいですね。
焼肉のたれ
甘口ドレッシング
甘口ドレッシング(㈱戸村フーズ)
 そして、同じメーカーでこのドレッシングも定番だそうです。焼肉をしたら、戸村のタレをつけて、野菜サラダにはこのドレッシングなのだとか。
 やはりニンニクが効いていますが、酸味がまろやかで、甘みが強く、子どもにもウケそう。宮崎好みの味が少し分かったような気がしました。
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、 『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html