風土47
新米をおいしく食べよう!炊き立てごはんのお供 Part Ⅳ
今年も新米のおいしい季節がやってきました。
ということで、ほぼ恒例となった「ごはんのお供」の特集です。
ごはんに添える、というよりは、「これがあればモリモリごはんが食べられる!」というおかず系を選びました。
今回は南の県から並べました。
どれも箸が進みます。食べ過ぎにご注意を!

取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅のペンクラブ、日本旅行作家協会会員)
各ショップお勧め「ごはんのお供」
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
 また、商品の価格は掲載時のものですので、変動があることをご承知おきください。
<佐伯市・㈱やまろ渡邊>
あつめしのたれ(360mℓ 600円)
 これ、おいしいです。“あつめし”は大分県の中でも佐伯市だけの呼び方だそうで、県内では“りゅうきゅう”、あるいは“りゅうきゅう茶漬け”と呼ぶのが一般的だとか。
 りゅうきゅうは、あまった刺し身を一晩、醤油に漬け込み、ネギやゴマなどの薬味と食べる大分県の郷土料理。漁師の人たちが、船上で食べた漁師めしが始まりだそうだ。
 佐伯市はブリの養殖が盛んなため、あつめしはブリを使う。我が家ではブリを厚めに切り、このたれに一晩漬け、小ぶりに切ってショウガ、ネギ、ゴマ、シソ、ミョウガなどをたっぷり混ぜて食べる。甘さのあるたれがブリの脂とよくなじみ、コクもあるが、薬味のおかげでさっぱりと食べられる。ブリのプリプリした食感もいい。あつめしを知って、我が家ではブリの消費量がぐっと増えました。ぜひお試しを!
あつめしのたれ
味付のり
<徳島市・大野海苔㈱>
味付のり(48枚 452円)
 これもおいしいです。黒くてツヤがあり、厚みがあって、噛むと口の中に磯の香りが広がります。もちろん、海苔の味わいもしっかり。炊き立ての新米とこの海苔、そして上質な醤油があれば、2、3杯は軽く食べられそう。徳島はワカメもおいしいし、海の幸のレベルも高いですね。
 余談ですが、海苔の良し悪しに気付くようになるのは大人の証拠だと思いませんか?
子どものころは主役のおかずに気を取られ、脇役の海苔は気にも留めなかったような…。私も自分で海苔を買うようになるまで、これほどピンからキリまであるとは知りませんでした。
海苔の思い出と言えば、多くの方は子どものころのおにぎりでしょうか? 私も遠足や運動会に母親が作ってくれた焼きおにぎりに巻いてあったたっぷりの海苔を思い出します。コンロで海苔をあぶっていた姿とその時広がる磯の香りも。海苔ひとつでもいろいろな思い出が甦りますから、食べ物にまつわる記憶ってすごいですね。そう考えると「食」は大切にしたいですね。
<浜田市・㈱シーライフ>
さわら西京漬(2切 378円)
 にほんばし島根館には、干物など、おいしそうな魚介の加工品が並ぶが、西京漬けもその一つだ。
 大ぶりのサワラが2切れ。袋を開けると、味噌のいい香りがして、それだけでも食欲をそそる。周りの味噌を軽く落として、焼いていくと、しだいに表面に脂がにじみ出てツヤが出てくる。ところどころ、味噌に軽く焦げ目も付いていっそうおいしそうに。
 味噌の味も濃すぎず、肉厚のサワラは脂もほどよくのっていて、ごはんとよく合う。これはおいしい。
 そして、なんと言ってもうれしいのは値段。西京漬けはおいしいけど、高いですよね。デパ地下に入っている有名店なら、銀ダラ1切れ800円なんていうのも見かけます。大きめのサワラ2切れで378円は断然お得です。
さわら西京漬
奥久慈卵・赤
<常陸大宮市・ひたち農園>
奥久慈卵・赤(6個 248円)
 奥久慈といえば、シャモの名産地。大自然の中で育ったシャモの肉は、歯ごたえがあってうま味が濃く、しかも低脂肪で、有名料理店などでも多く使われている。
 その自然豊かな環境で、おいしい卵「奥久慈卵(おくくじらん)」も育まれている。奥久慈の自然豊かな山の中に建てられた鶏舎で、ミネラル豊富な天然水を飲み、天然由来素材100%のエサを食べて育つ。海藻や魚粉、牧草成分など、うま味たっぷりのエサを食べて育つから、卵にもうま味がたっぷり。黄身は鮮やかな美しいオレンジ色で、箸でつまんでもなかなか崩れないほどに強い。栄養分も多く、ビタミンEは通常の卵の約10倍、ビタミンDは約3倍含まれる。
 もちろん味も濃い。けれど雑味がなくてすっきりしている。卵焼き、目玉焼き、だし巻き、卵かけご飯にしてもおいしいですよ。
<寒河江市・サガエ納豆食品>
こだわり納豆屋のなっとう汁(具500g・汁の素130g 800円)
 寒い時期に温まりそうな一品。すりつぶした納豆入りの汁に、里芋やニンジン、コンニャク、ゴボウ、油揚げ、なめこと具もたっぷり入っている。炊き立ての新米とこれがあれば十分、一食になりそうだ。具材もすべてパッケージされているので、手軽に食べられるのもうれしい。
 納豆汁は山形では冬によく食べられる家庭料理だという。納豆を形が無くなるまですり鉢ですり、具を入れて煮た鍋にそれを入れる。味噌で味をつけ、セリやネギをのせて唐辛子をふりかけて出来上がり。納豆や豆腐、油揚げなど大豆製品が多く食べられるこの料理は、冬に貴重なタンパク質をとれる料理として親しまれてきたという。山形では1月7日に七草粥の代わりに納豆汁を食べる習慣もあるそうだ。山形で愛されてきた郷土の味とともに新米をぜひ味わおう。
こだわり納豆屋のなっとう汁
十和田バラ焼き
<横浜町・日本ピュアフード㈱>
十和田バラ焼き(300g 498円)
 これは新米でなくても、とにかくごはんが進みます。
 十和田バラ焼きは、牛のバラ肉と大量の玉ねぎを醤油ベースの甘辛いたれで味付けし、鉄板でジュウジュウと焼いた料理。1950年代の米軍基地周辺の屋台で生まれたといわれている。現在、十和田市では80軒以上の店で提供しているご当地B級グルメだ。
 この商品は、たっぷりのたれに漬け込んだ牛肉が入っている。玉ねぎ2個を刻んで炒め、そこにこれを加えてさらに炒めるだけ。甘辛いたれが玉ねぎにも染みて、ごはんによく合う。味が濃い目なので、一箸食べたらごはんは三口くらいいけてしまう。味の濃いのが苦手な方は玉ねぎを増やしてもいいだろう。
◆今月のおまけ
<弘前市・洋菓子工房ノエル>
アップルパイ(1個 361円)
 あおもり北彩館の前で、期間限定で販売していました。ゴロゴロっとはいったりんごが目を引くこのアップルパイ。地元でも大人気の品らしいです。
 洋酒で煮たりんごは甘さ控えめでシナモンが効いています。パイ生地に薄く引かれたカスタードの上品な甘みが、そのりんごの味と絶妙にマッチ。りんごの間にはゼリーが入っていて、りんごのしっかりした食感とほどよいコントラストです。
 丁寧に作られたおいしいパイでした。
アップルパイ
マロンのつぼみ
<弘前市・洋菓子工房ノエル>
マロンのつぼみ(1個 361円)
 同じお店でこちらも売っていました。青森県産の和栗を使ったケーキ。これもおいしかったです。
 ココアのスポンジ生地に生クリームを塗って巻きあげ、カスタードクリームを絞り、和栗のマロンペーストをまとわせたそうです。
 カスタード、生クリーム、スポンジ、そしてマロンペースト、その一つひとつがおいしくて、全部合わさっても、上品に一つにまとまります。
 各地においしいものがあるんだなあと、つくづく思いました。
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、 『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html