風土47
内緒にしておきたかった?店長、スタッフの「私のお気に入り」 Part Ⅲ
今月も店長やスタッフの方の“個人的なお気に入り”商品です。
この特集テーマになってから、味のレベルが特に高い気がします。
やはりお店の方はみなさん、おいしいものをご存知ですよね。
涼しげな飲料系が多かった今月。
暑くなるこれからの季節のご参考になさってください。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅行記者クラブ、日本旅のペンクラブ会員)
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
*記載の商品価格は、4月の消費税増税後の税込み価格になっております。
〈柳井市・柳井市生活改善実行グループ連絡協議会大畠特産加工開発部〉
橘香酢(200mℓ 920円)
「参りました」というくらいおいしい、というかおそらくこういうのが本物の味というのだろう。山口県の果実酢は個人的に大好きで、我が家の夏の常備品だが、こんな最上級のものを知ってしまったら、ほかの果実酢がかすんでしまいそうだ。
 農薬を散布する前のまだ熟していない青ミカンを、1つ1つ丁寧に手搾りした果実酢。幼果は完熟のものより多くのクエン酸やビタミン類を含むという。1ビンに約30個使い、1年にわずか2000本しか作れないそうだ。まだ甘さも苦味も生まれない前の、清新で爽やかな果汁をそのまま口に入れたよう。酸味は強くないのに、いつまでも余韻が残る。
 すすめてくれたのは快活な女性店長さん。「地元の奥さんたちが丁寧に手搾りしてるの。ジュースにしてもいいし、料理に使っても味が全然違うから」。説明も熱心で、いつもお店や商品を愛していることが伝わってくる。そういう方のお気に入りはやはり間違いなかったです。
橘香酢
甲州信玄豚荒挽きポークウィンナー
〈昭和町・オオタ総合食品㈱〉
甲州信玄豚荒挽きポークウィンナー(180g 540円)
 富士の国やまなし館は、おいでませ山口館の隣りにある。「この近くに勤務している常連客の方々は、水産品は山口館で買って、その水産品に合う白ワインと畜産品はうちの店で買うっていう方が多いみたいです」。そう話すのはシャイな感じのイケメン担当者Tさん。
 その方のお気に入りも畜産品。飼料や育成環境にこだわった山梨のブランド豚“甲州信玄豚”を使った荒挽きポークウィンナーだ。確かにおいしい。肉汁がジュワっとしみ出て脂の甘さとうま味が際立つが、後味は意外にすっきりしている。あとから出てくる岩手県のビールにも合います(ご期待を)。
 さて、後ろにかすかに写っているのは、このTさんのもう一つのお気に入り、甲州辛口ワイン(モンデ酒造、720mℓ、1300円)。これもおいしかった。白ワインって、すっきりし過ぎているものも多い気がしますが、これは日本酒のようにしっかり味があります。1300円でこの味はお得です。
〈有田市・㈱早和果樹園〉
大てまりジュレ(250g 440円)
 どうですか? もう見た目だけで女性は心を鷲づかみにされそうな商品ですよね。
 お気に入り、と話してくれたのも女性スタッフ。「これ、まるごと一人で食べたら贅沢な気分になれるんですよ」と。
 和歌山名産の有田みかんは、温暖な急斜面の段々ミカン畑で育ち、甘さが自慢。その有田みかんの完熟品を丸ごと使ってシロップに漬け、ぷるぷるのゼリーで包んである。早和果樹園では、ミカンのシロップ漬け「てまりみかん」という商品があるが、その姉妹品だ。光センサーで選び抜いた“味の濃いおいしいミカン”を使用しているという。
 ジュレの部分は味も舌ざわりもぽわっとして、「あれ? 期待していた味と違うのかな」と思ったけれど、中のミカンはおいしかった。冷たくて、甘くて、ミカンの味が濃くて。おっしゃる通り、贅沢な気分になれました。
大てまりジュレ
宝島 島バナナコンフィチュール チョコ&ナッツ
〈NPO法人トカラ・インターフェイス〉
宝島 島バナナコンフィチュール チョコ&ナッツ(130g 767円)
 これも女性の心を鷲づかみという商品だ。
 “日本最後の秘境ともいわれるトカラ列島の宝島産の島バナナを使ったコンフィチュール。バナナと相性抜群のクーベルチュールチョコレートと4種のナッツを使った贅沢な味わいだ”。
 どうです? このうんちくだけでも女性の大好きなアイテムが満載でしょ?
 ちなみに(お父さん世代のために)“コンフィチュール”はジャム、“クーベルチュールチョコレート”はお菓子の仕上げに使う脂肪分の多いチョコレートのこと。さらに宝島はサンゴ礁でできたハート形の島で、その名のとおり、昔イギリスの海賊・キャプテンキッドが財宝を隠したという言い伝えがあるそう。ロマンあふれる背景に加え、この控えめなトロピカル感のあるパッケージ。心惹かれますよね。
 いつもクールでかっこいい女性担当者Fさんが「甘さ控えめで、バナナの果肉がゴロゴロっと入っていておいしいですよ」と、すすめてくれました。島バナナの味が濃くて、パンにちょっとつけるだけでおいしい。
〈一関市・世嬉の一酒造㈱〉
いわて蔵ビール きんくら・あかくら・くろくら(各350mℓ 335円)
 スーパーのように広いいわて銀河プラザを切り盛りするのは誠実な男性店長さんだ。数ある商品の中でお気に入りに挙げてくださったのがこのビール。地元で有名な地ビールを、初めて缶入りにした商品だという。
 まず、おしゃれなパッケージに目がいくが、それもそのはず、デザインはNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも紹介された世界的デザイナーの佐藤オオキ氏だそうだ。
 味もいい! 「きんくら(ピルスナー)」を飲んでみたが、味も苦みもしっかりあるのに、後味はすっきりとして飲みやすい。「あかくら(レッドエール)」は苦みを抑えた琥珀色のビールで、「くろくら(スタウト)」は香ばしい焙煎の香りと濃厚な味わいが特徴だという。
 実は、岩手より前に立ち寄った石川県のアンテナショップで、ビール好きの女性副店長さんが「一関のきんくらがおいしいですよ」と話してくれたばかりだった。つまり1日だけで推薦者が二人いるビールです。
いわて蔵ビール きんくら・あかくら・くろくら
レモングラスの休日
〈四国中央市・梅錦山川㈱〉
レモングラスの休日(180mℓ 302円)
「日本酒なんですが、軽くて女性にも飲みやすいんですよ」と話してくださったのは男性のご担当者ですが、でも、確かに女性好みのパッケージやネーミングだ。
 日本酒をベースに、ハーブのレモングラスの抽出液と米エキスを配合したリキュール。アルコール度数も7%と低めで飲みやそう。
 ひと口含んでみると、カルピスのような芳香。その後、ほのかに日本酒の味がして、最後はレモングラスの清涼感。苦みもほのかで、甘いリキュールが苦手な人にはおすすめ。
 実は、最初「わーい、日本酒だ」と白身の焼き魚とほうれん草のおひたしとタコのから揚げと……と和食を揃えて飲み始めたら、まったく合いませんでした。パスタとか、軽いおつまみとかと飲むお酒。写真のようなおちょこでなく、グラスでおしゃれにどうぞ。
◆今月のおまけ
〈今月のおまけ - 1〉
カッサータ・プレーン
今月の揃い踏みの北海道の商品はこれ。とってもおいしかったです。濃厚なチーズクリームの中に、ナッツやラズベリーが入っていて、香ばしさや酸味が加わって。
チーズケーキ好きにはおすすめです。
カッサータ・プレーン
ほろよいチーズケーキ
〈今月のおまけ - 2〉
ほろよいチーズケーキ
今月の揃い踏みで、山口県の商品は、この日本酒「獺祭」を使ったチーズケーキ。これも絶品でした。
チーズケーキ好きの方はこちらもおすすめです。
実は大のチーズケーキ好きです。。。。
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html