風土47
内緒にしておきたかった?店長、スタッフの「私のお気に入り」 Part Ⅴ
今月もショップの方々に「私は断然これが好き!」というものを挙げていただきました。
みなさん、だんだん話が熱を帯びてきて、説明を聞いているだけで「食べてみたい」と思うこともしばしばです。
今月は米や煮干しなど、基本的な食材も登場します。
おまけ2品もとってもおいしかったので、ぜひ最後までご覧ください。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅行記者クラブ、日本旅のペンクラブ会員)
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
*記載の商品価格は、4月の消費税増税後の税込み価格になっております。
〈鶴岡市・鶴岡市農業協同組合〉
つや姫(2kg 1290円)
 おいしい山形プラザは、店頭に野菜や果物など旬の生鮮食品も並び、いつも買い物客でにぎわっている。そんな店内で、井田店長が迷いなく挙げてくれたのが「つや姫」だ。山形が県をあげて10年の歳月をかけて開発した自慢のお米。パンフレットには“際立つ白さ、つや、甘みが特徴です”と書いてあったり、“粒の大きさ、白い輝き、旨さ、香り、粘りが特徴です”と書いてある説明書も。まぁ、どちらにしても、見た目も味も自慢という自信のほどが伝わってくる。井田店長も「やっぱりうまい。冷めてもおいしいから弁当にもいいよ」とのこと。
 玄米を買って五分づきにして食べてみた。炊飯器を開けて、まず米粒の大きさに驚いた。いつも食べている米の2倍くらいある。さらにひと口頬張ってその味わいの濃さにもびっくり。出汁で煮たの?というくらい香りも甘みもうま味も濃い。確かにおいしい。10月10日には新米も入荷する予定だそうです。ごはん好きの方はぜひお試しを。写真はつや姫(玄米)1㎏で846円。白米1㎏は880円。
つや姫
柿太極上いわしの煮干
〈氷見市・㈲柿太水産〉
柿太極上いわしの煮干(200g 741円)
 各種メディアにも登場するいきいき富山館の名物アドバイザー大谷さんが挙げてくれたのがこの商品。店に並んでいる商品は全部自慢でお気に入りと話していたが、特にこの商品は太鼓判だという。
 「これは酸化防止剤無添加の煮干し。こんなきれいな煮干し、ほかではあまり見ないでしょう。無添加の煮干しが置きたくて、柿太水産にお願いして作っていただきました」とのこと。氷見のイワシは背が青く、身の締まりがよく、脂肪分が少ないのが特徴。鮮度のいいイワシだけを使い、頭も内臓もそのまま調理しても雑味もアクもでないという。「定年後、料理を始めた男性が『昔ながらのみそ汁が飲みたい』って、出汁をとるためにこの煮干しを買いにいらっしゃいます」。
 いやー、おいしかったです。本当に雑味がない。イワシのうま味がふわっと口に広がり、あとに上品な余韻が残る。こっそりみそ汁に使ったら、ひと口飲んだ主人がすぐに「うまい。あの煮干し使った?」と気付いたほど。いつもの味がひど過ぎる!? いえいえ、この煮干しが素晴らしいんです。
〈奈良市・松井商店〉
わらびよし(1個 250円)
 20代とおぼしき可愛らしい女性店長さんが「とってもおいしいですよ」と真っ先に勧めてくれたのがこれ。「ギュッと詰まったもちもちのわらび餅の上に、ミルクの味がする甘いクリームがかかっています。このクリームが不思議で、きな粉をかけると味が変わって一段とおいしくなるんです」
 飾り気のないパッケージ(というか、お菓子にしてはめずらしいほど素っ気ないですよね)も気に入って、早速、買って食べてみた。
 おいしい! ポイントはきな粉だ。店長が話していたように、わらび餅とクリームだけだと普通のおいしさなのに、きな粉をかけると味が一変! 和菓子のような洋菓子のような、何とも言えない至福の味になる。初めての味。これを考案した人はすごい。きな粉を合わせることを最初から考えてクリームを作ったのだろうか? ぜひ、日本橋に行ったら奈良まほろば館で購入して味わってみてください。きな粉の魔法に驚きます。
わらびよし
あなご丼の素
〈浜田市・㈱中村水産〉
あなご丼の素(2人前 1080円)
 食べるのも、作るのも、料理して人に食べさせるのも大好き、という愛情深い女性店長さんのお気に入りがこれ。ちなみに、店長は今年の春、赴任したばかりだが、にほんばし島根館に並ぶ山のような商品を、すでにほとんど食べてみたというから、その仕事熱心さにただただ敬服です。
 「きざんだあなごと焼きあなご、それにタレも付いているから、錦糸卵だけ作ってのせればあっという間にあなご丼が二人前できます。休日のお昼とか、忙しい時に便利。1人前500円、ワンコインであなご丼が食べられるのもお得感があるでしょう?」
 説明にも説得力がある。確かに簡単に作れた。あなごをレンジで温め、タレときざみあなごをご飯に混ぜ、錦糸卵をちらして焼きあなごをのせるだけ。5分足らず? 日本海産のあなごを使っているそうだが、弾力があっておいしい。タレもあなごエキスが入っていておいしいが、かなり甘めなので、我が家ではワサビが必須という結論になった。予想以上に量もあって、満足でした。
〈徳島市・㈱日の出楼〉
徳島ういろ(1個 130円)
 「実は徳島のういろうは、日本三大ういろうの一つなんです」と、控えめに紹介を始められたのは、県の男性担当者の方。食品について、いつも意外なうんちくをぽろっと語ってくださるので、この方の説明は楽しい。
 三大ういろうがあるなんて知らなかった。名古屋、山口、そして徳島(阿波)だという。「東海道新幹線開通の際に、名古屋のういろうがみやげとして車内販売されることとなり、一気に名古屋のういろうだけ知名度が上がったみたいですね」
 名古屋のういろうはやわらかめの食感、山口のういろうはわらび粉を使うのでプルンという食感、そしてこの徳島ういろはもちっとした食感だ。包みを開けると小豆の香りがふわっと漂い、身の詰まったういろうは小ぶりでも食べ応えがある。徳島にはういろうを作るメーカーが30軒ほどあり、地元の方もよく食べるという。
 三大ういろうがある市は、どこも大きな城下町だったところ。食文化も豊かだったのでしょう。風土が生んだ銘菓ですね。
徳島ういろ
◆今月のおまけ
はんだ牛蒡
〈今月のおまけ - 1〉
はんだ牛蒡
 全国の食に詳しいにほんばし島根館の店長が「今まで食べた中で、おそらく一番おいしいゴボウだと思います」と話してくれたのがはんだ牛蒡。島根県江津市の桜江オーガニックファームで作られているそうです。
 皮向きもあく抜きも無用。「洗って土だけ落としたら、切って素揚げするだけ。藻塩を振って食べると甘くておいしいですよ」という店長の言葉通り。ほんと、甘くておいしかった。おつまみに最高です。
 袋には“有機ごぼう(転換期間中)。土とともに一年一年進化するごぼうです。また来年が楽しみです。“とある。来年も忘れずに買います。1袋(通常の2本分くらい)330円。例年、10月くらいまで入荷するそう。
〈今月のおまけ - 2〉
うす皮なす漬
 夏から秋にかけて、おいしい山形プラザに行ったらつい買ってしまうのがこの水ナスの漬物。おいしいです。ビールのおつまみにも、ご飯のおかずにも。
 早い時期も売っていますが、夏からは露地物のナスを使うので夏から秋がおすすめ。10月までは入荷するそうなので、つや姫とぜひどうぞ。1袋925円です。
うす皮なす漬
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html