風土47
春到来!お花見のお供
サクラの噂が聞かれる季節になりました。
日本人はサクラが大好きですね。
今か今かと開花を待ちわび、咲けば咲いたで雨や風を心配し、昼に夜に愛で、散る姿も楽しむ。
今年も思う存分サクラを楽しみましょう。
気軽に散策しながら、あるいはシートを広げてお弁当を食べながら、男性、女性、昼、夜……。
いろいろなシチュエーションのお花見を考えてお供を選んでみました。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅行記者クラブ、日本旅のペンクラブ会員)
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
*記載の商品価格は、4月の消費税増税後の税込み価格になっております。
〈雲南市・木の花工房〉
桜花塩漬「舞」(20g 540円)
 春らしい一品。これがひと瓶あったら、いろいろな食事に使えて食卓がまさに春爛漫になりそうだ。
 島根県雲南市木次町の揖斐川堤防の桜並木は中国地方随一のサクラの名所。町は日本一のサクラの町をめざし、町内各所の5万本のサクラを桜守りの手で管理しているという。心を込めて手入れされたサクラは春ごとに見事な花を咲かせ、町は薄紅色に染まる。
 この商品は、木次町の山間部で無農薬で育てたサクラを、一輪ずつ手で摘んで塩漬けにしたものだ。瓶を開けると、さくら餅でおなじみのサクラの芳香がふわーっと広がり、美しく可愛らしいピンク色の蕾がぎっしり入っている。これだけで幸せな気持ちになるが、お湯を注げば花開いてサクラ茶に。刻んでおにぎりにすればサクラにぎり。茶碗蒸しやシフォンケーキ、ちらし寿司、焼酎になど、使い道はいろいろ。サクラにぎりもちゃんと塩味が効いておいしかった。以前、買った他の地方のサクラの塩漬けより、断然、香りも色も濃く、おしかったです。
桜花塩漬「舞」
ほたて十万石
〈青森市・カネセ高橋かまぼこ店〉
ほたて十万石(1個 152円)
 これは会社帰りにビールと一緒に買って、夜桜見物するときにぴったり。味もいいし、ボリュームもあって、老若男女問わずおすすめの品だ。
 プリッと弾力のあるかまぼこの中に、ホタテの貝柱とマヨネーズで仕上げた餡がたっぷりと入っている。かまぼこもおいしいし、餡もおいしい。餡に使っている貝柱は、ホタテの名産地で有名な青森県陸奥湾産。陸奥湾は流れ込む川の恵みで、栄養豊か。そこで育つホタテも極上とされる。何か香ばしい味もするな、と思って原材料の欄を見たらサクラエビと書いてあった。この隠し味も効いている。
 メーカーは創業明治36年の老舗。5個入り702円も販売されている。5個くらいペロリと食べられそうなおいしさです。
〈奈良市・㈱今西清兵衛商店〉
奈良の八重桜(300mℓ 756円)
 奈良県の今西清兵商店が販売する「奈良の八重桜」には、名前の通り、奈良の八重桜から採取した清酒酵母「ナラノヤエザクラ酵母」が使われている。清酒を作る酵母は自然界にたくさんあるが、おいしい清酒ができる酵母とは限らない。アルコール生成能力があり、酒蔵で他の酵母と敵対せず、何世代にもわたり形態を変えない安定性を持ち、しかも旨い味を造り出す清酒酵母を分離できたのは、200万分の1、あるいはそれ以下の確率だといわれている。
 白ワインのような口当たりで、バラ科の八重桜を使った清酒らしく、華やかな香気が特徴だ。この酵母を使って醸造された清酒はコハク酸(貝類に含まれる旨味物質)、りんご酸(爽快感のある酸味を持つ)が多く含まれ、「ほのかな甘みと奥深い旨味を感じ、上品でセンス良くまとまっている爽やかな清酒」と称されている。つまり、女性にもとても飲みやすいそう。ぜひお花見のお供にどうぞ。
奈良の八重桜
倭のそうめんチップス
〈つるぎ町・㈲倭麺工房〉
倭のそうめんチップス(35g 257円)
 これはビールなどを飲みながらのお花見におすすめの品。
 徳島県つるぎ町の半田地区は手延べそうめん「半田そうめん」の故郷。半田そうめんは、肥沃な土地で育つ小麦と、吉野川の伏流水という良質な水が原料となる。冬になると剣山から「寒風剣山おろし」といわれる冷たい風が吹き、これがおいしいそうめんを作り出す。半田そうめんはほかのそうめんに比べて太く、強いコシと旨味が特徴だ。麺好きでハマる人も多いという。
 その半田そうめんのふしめんを使っている。手延べそうめんを作るとき、麺棒にかけている部分がふしめん。社長さんが「もっと気軽にそうめんを食べてほしい」と開発した。ふしめんは細い物や太い物、厚い、薄いとそれぞれ形が違うので、揚げるときはつきっきりで目が離せないという。エスニックの味付けもいいし、なんと言ってもふしめんがおいしい。最後にちょっと和風の味がする。150ccの水に野菜と一緒に入れて少し塩味を足すと、エスニック風のそうめんも楽しめるという。
〈日立市・㈲菊水食品〉
どらい納豆 しょうゆ味(5g×10包 432円)
 これもお花見の気軽なおつまみにぴったりな品。納豆を油でカリカリに揚げ、粘り気をなくした納豆スナックだ。ほかにうす塩味、ピリ辛もある。
 揚げてあるといっても脂っぽくもないし、食べやすい。匂いも控えめで、かすかに納豆の香りがするなぁ、という程度。でも、噛んでいるうちにじんわりと粘り気が出てきて、納豆なのだな、と納得する。
 匂いや粘り気は控えめだが、納豆菌やナットウキナーゼ酵素などはそのまま生きているので、栄養価はバツグンだ。納豆菌は腸内の悪玉菌を減少させるなど整腸作用があり、抗菌効果もあるとされている。ナットウキナーゼ酵素は血栓溶解効果で知られている。
 身体によさそうなのはわかってるけど、納豆が食べられないんだよなぁという方にもおすすめ。
どらい納豆 しょうゆ味
ます寿し
〈富山市、黒部市、高岡市、砺波市、立山町〉
ます寿し 各種(1251円~2001円)
 富山名物のます寿司は、お花見に持っていくお弁当にぴったり。いきいき富山館では、曜日ごとに各メーカーから2~4種を入荷し、合計22種のます寿しを販売している。店頭には曜日ごとに入荷予定が貼ってあり、好みの品の入荷に合わせて買いに来る方も多いそうだ。
 取材の日は、ちょうどメーカーの方が店頭で実演販売をしていた。富山市で創業130年を迎える老舗「庄右衛門元祖関野屋」さん。青々と美しい笹に、見事な手際でピンク色のマスを敷きつめて行く。ます寿司は、酢めしと味付けしたサクラマスで作る押し寿司。元祖関野屋の「鱒乃寿し 一重」(420g、1400円)は天然サクラマスの全ての部位を使っているという。赤身の深い味わいや、腹身のコクのある脂、サクラマスの芳香、すべてが楽しめる。
◆今月のおまけ
〈富山県〉
ます寿し
 ご存知の方も多いでしょうが、ます寿しは切るとこんな感じです。笹の緑とサクラマスのピンクの対比が美しく、しかも酢めしだから保存性もあって、笹の殺菌作用もあって……と、先人たちの知恵と美的感覚に感激しますよね。
ます寿し
ふっくらあさり紀州煮
〈和歌山県・白浜温泉〉
ふっくらあさり紀州煮
 先日、取材で和歌山県の白浜温泉に行きました。明るい日差しと青い海、まっ白い白良浜が、ひと時、冬を忘れさせてくれました。
 泊まったホテルで見つけたお土産がとってもおいしかったです。あさりの佃煮ですが、ふっくら軟らかく炊いてあって、そのまま食べてもおいしいのですが、汁を使った炊き込みご飯も美味でした。ショウガをたっぷり入れて炊いてみました。おいしいお土産品は、旅のあとからもその土地をずっと思い出させてくれるので、イメージアップにとても役立ちますね。それを実感しました。
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html