風土47
今年も恒例のお弁当の友(おかず編)
4月は毎年恒例、お弁当の友の特集です。
今回は特にメインのおかずになりそうなものを多く選んでみました。
年々、お弁当にも便利で簡単しかもおいしい物が新登場しているようです。
お弁当生活を始めようとされている方には、アンテナショップは強い味方ですよ。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅行記者クラブ、日本旅のペンクラブ会員)
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
*記載の商品価格は、4月の消費税増税後の税込み価格になっております。
〈石狩市・佐藤水産㈱〉
焼き熟成新巻鮭切身(2切 432円)
 皮の焦げ目やぷっくりした身がいかにもおいしそうなこの鮭の切り身は、実は袋から出したまま。焼いてあるので、忙しい朝の食事やお弁当、おにぎりに使うにはぴったりだ。
 見た目だけでなく、もちろん食べても本当においしい。身は弾力があり、塩加減もちょうどよい。鮭も塩も素材がいいのだろうなあと思わせる。確か、子どもの頃食べた鮭の切り身はこんな味だったと懐かしくなった。スーパーで売られている鮭とはひと味もふた味も違う。
 使用されているのは北海道産の秋鮭(あきあじ)。産卵のために川に戻ってくる9月、10月に獲れたこの秋鮭を、新巻(あらまき・内臓を除いて甘塩で漬けたもの)にして切り、こんがり焼いてある。地元でもおいしいと評判の佐藤水産の商品。1パック買っておくと何かという時に便利です。
焼き熟成新巻鮭切身
たけのこ水煮お徳用
〈越前町・JA越前丹生〉
たけのこ水煮お徳用(200g 378円)
 越前町の特産である“宮崎たけのこ”を使った水煮。サッと水洗いするだけで煮物や炒め物に使えるので便利だ。お弁当のおかずもすぐに一品作れそう。
 越前町宮崎地区は、タケノコの生育に適した赤土の土壌に恵まれ、農家が徹底管理した竹林でタケノコを育てている。地表から頭が約1㎝出た頃にタイミング良く収穫されることもあって、“赤子”とよばれるタケノコは非常に柔らかくて、アクが少ない。4月中旬から5月中旬までの“宮崎たけのこ”の収穫期には、県内のテレビや新聞に取り上げられるほど有名なブランドタケノコだ。
 この商品を見つけて本当にうれしかった。国産のタケノコの水煮はあまり見かけないと思いませんか? これは味がいい。柔らかいけれど適度な歯応えがあり、タケノコ本来のエグミも少し感じられる。まさに春の味。写真はほんの一部で、量はこの4倍ほど。たっぷり200g入ってこの値段。しかも賞味期限が1年あるので、ぜひ買い置きしたい。
〈長岡市・㈱クリタミートパーベイヤーズKMP〉
佐渡の島黒豚コロッケ(70g×3 586円)
 このコロッケもおいしかった。説明書きに、“佐渡でしか飼育していない貴重な黒豚の豚肉を、少し粗挽きで挽肉にして、ふんわりホクホク茹でたジャガイモに加え、生パン粉で一つ一つ丁寧に手作りで仕上げました。ジャガイモ本来の甘みと挽肉の旨味がマッチした絶品コロッケです。”と書いてあったが、その通りでした。
 凍ったまま170°Cの油に入れて揚げるだけ。簡単なのでお弁当にもおすすめだ。サクッとした衣の中から出てくるのは、しっとりとしたジャガイモとコロコロっと存在感のある挽肉。この中身がおいしい。ジャガイモの甘みと挽肉の旨味が混じり合い、塩味も効いていて、ポテトサラダのように完成された料理を食べている感じ。コロッケにしてはちょっと高めだけど、納得の味でした。
佐渡の島黒豚コロッケ
ちぎり山椒昆布
〈京都市・㈱三味洪庵ST〉
ちぎり山椒昆布(60g 540円)
 食べた途端、「う~ん」とうなってしまった一品。どうして京都の老舗の食品はこんなにおいしいのだろう。
 江戸末期の1861年に岩倉具視の命を受けて創業したという三味洪庵が作る昆布と山椒を使った佃煮だ。ショップの女性たちが「これ、おいしいですよ」と口々に褒めていたけれど、正直に言ってその時は「本当? 佃煮にそんな違いがあるのかな」と思っていた。でも食べて納得。佃煮なので甘みも塩味もしっかりしているが、そのどれもが突出せず、全く尖った味がしない。昆布の旨味や山椒の風味もまろやかに混ざり合って、噛むごとにじわりじわりと深い味わいがしみ出てくる。すごい。こういう上品な味のものを食べると、普段自分が作っている料理の味付けは何なのだろうと悩んでしまうが……。これはメインのおかずではないが、大人のお弁当にぜひ入れたい一品だ。
 三味洪庵では“おぞよ(おかず)”シリーズのほか、西京漬けやちりめん山椒なども販売している。
〈三豊市・㈱ミトヨフーズ〉
無添加 本鷹なめたけ(145g 464円)
 香川産のえのき茸やタケノコを使って、化学調味料無添加で仕上げたなめたけ。鮮度にこだわり、えのき茸は朝毎に仕入れた物だけ、タケノコは地元産のエグミの少ない若タケノコを使っている。かつおだしを効かせた濃厚で贅沢な味わいが特徴だ。
 このなめたけシリーズは、基本の味のほか、梅かつおなど4種類があるが、この“本鷹なめたけ”は“幻のトウガラシ”とよばれる香川本鷹を使用。ピリ辛に仕上げてある。えのき茸のシャキシャキした歯ごたえもいいし、何より、香川本鷹の味が効いている。辛みは強いが、ただ辛いだけでなく、深い味わいがある。
 香川本鷹はタカノツメの一種で、長さが7~8㎝と大きく、上品な香りと強い辛みが特徴。豊臣秀吉の朝鮮出兵に加わった塩飽(しわく)水軍が戦利品として拝領され、香川県最古の特産農産物の一つとして栽培されてきた。一時、絶滅状態だったが、平成19年に栽培が復活したという。
 そのまま食べてもおいしいし、大根おろしや野菜と和えたり、炊き込みご飯にしてもいい。ほうれん草と和えると、ヘルシーなお弁当のおかずの一品になる。
無添加 本鷹なめたけ
◆今月のおまけ

お弁当の友
 今回の特集でご紹介した五品をお弁当として詰めてみました。ただ詰めただけなので、色合いなどはよくないですが、ボリュームたっぷり。
 でもあっという間に作れるので、お弁当作りにはアンテナショップの利用が便利です。
お弁当の友
日向夏
〈宮崎県〉
日向夏
 新宿みやざき館KONNEに取材で伺ったら、日向夏を出していただきました。
 宮崎県に春を告げる柑橘系の果実。果肉の周り白いワタを一緒に食べるのが特徴で、果肉だけだとぼんやりした味になってしまうのだとか。
 試食させていただくと、ホント、周りのワタのほどよい苦みが、果肉の爽やかな甘みを引き立てます。甘みも酸味も清々しく、後味がすっきり。おいしいです。
 日本全国、果実もいろいろな種類がありますね。遠い宮崎の果実が味わえるのもアンテナショップのおかげと思いました。
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html