風土47
ひんやり冷た~い この一品
「暑いですね」が挨拶代わりの日々が続いていますが、お元気でお過ごしでしょうか。
こういう時は食べ物もひと工夫。
涼感あふれるものをいただいて、目からも身体の中からも涼しくなりたいですね。
今月はキリッと冷やして食べたい夏におススメの品を選びました。
今月は南の県からご紹介です。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅行記者クラブ、日本旅のペンクラブ会員)
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
*記載の商品価格は、2014年4月の消費税増税後の税込み価格になっております。
〈杵築市・㈱JAフーズおおいた〉
ぶんご つぶらなユズ
ぶんご つぶらなカボス(各190g 143円)
 柑橘類のカボスは大分県が生産量日本一。2012年の資料では、何と全国の約96%を占めているそうだ。
 「つぶらなカボス」は、名産のカボスの果汁を10%使用し、さらに夏みかんのつぶ(さのう)とハチミツを加えて仕上げてある。これがおいしい。柑橘系果汁を使っているのに酸っぱいという感じはまったくなくて、爽やかな酸味で甘みもすっきり。しかも夏みかんのつぶつぶで食感が刺激されて、満足感が得られる。
 「つぶらなユズもマイルドでおいしいけど、カボスの方がおいしいなぁ」と思いながらネットで検索してみると……、やはりカボスの方が人気らしい。先に発売され、一時は品切れ状態になったほどの大ヒット商品だという。その後、姉妹品としてユズが販売された。(と書きましたが、もちろんユズの方が好みという方もいらっしゃるでしょう)
 パッケージも可愛くて、暑い中でも癒されます。
つぶらなユズ|つぶらなカボス
鰹だしのところてん
〈高知市・高知県特産品販売㈱〉
鰹だしのところてん(300g 486円)
 これもおいしかったです。かつおだしのところてん。そういえばあっても不思議ではない商品だが、今のところ日本全国で高知だけだという。さすがカツオの国。
 そもそもは、昭和の初め頃、漁師町で食べられていたという。冷たいかつおだしのところてんは、つるつると食べてだしまでゴクゴクと飲み干せる。そのおいしさからあっという間に県内に広まり、今や土佐人にとっては常識なのだとか。子どもからお年寄りまでところてんといえばこの味だという。
 国産天草(テングサ)を100%用い、室戸海洋深層水で炊き上げてある。のど越しがよく、だしもあっさりしておいしい。パッケージに「豪快に飲み干すうまさ。おろしショウガを入れて、さっぱりとつゆごと味わうのが土佐流」とあるが、まさにさっぱりと豪快に飲み干せる。食欲のない時にもおすすめです。
 ところてんはその80%が食物繊維で、食品の中ではトップだそう。夏の健康維持にも役立ちそう。
〈大山町・青木商店〉
塩とろろもずく(300g 702円)
 “もずく”の概念を覆される一品だ。
 鳥取県大山町の御来屋(みくりや)海岸で採れた天然もずくを塩漬けにしてある。この海岸は、岩場で遠浅、しかも大山山麓からの湧水が流れ入ることからミネラルが豊富で、海産物が育つには絶好の場所だという。
 パッケージを開けたところからすごい。磯の香りがわーっと広がる。まるで瞬時に鳥取県の海辺に移動したようだ。決して生臭い感じではなく、爽やかな潮風さえ感じるような磯の香り。30分ほど水に漬けて塩抜きをし、お湯をサッと掛けて(お湯をかけるのは自己流。通常は水に漬けるだけのようです)酢の物にしてみた。すごい歯応えと粘り。
 スーパーで一般的に味付けもずくとして流通しているもずくは、沖縄産の養殖「フトモズク」が多いという。ぬめりは弱めで、食感もやわらかめ。それに対し、このとろろもずくは強烈なぬめりとコシがある。岩場の多い海で荒波にもまれた天然ならではの味わいだろう。もずくが好きな方、ぜひ味わってみてください。賞味期限が長いので、長く楽しめます。
塩とろろもずく
桃シャーベットソフト
〈富士の国やまなし館〉
桃シャーベットソフト(1個 400円)
 おいしかったです、このシャーベットソフト。山梨産の桃果汁100%のシャーベットの上に、八ヶ岳の高原リゾートとして有名な清里のソフトクリームがのっている。さらに、好みで桃のフルーツソースもトッピングできる。山梨の夏の味覚を上手に組み合わせたこの商品は、富士の国やまなし館のオリジナルだという。
 「ショップのスタッフみんなで意見を出し合って、試食を繰り返して作りました」と女性店長さん。試行錯誤を繰り返しただけあって、それぞれの味もバランスも絶妙。シャーベットは桃の香りも甘さも濃く、ひんやりシャリシャリした食感。ソフトクリームはなめらかな舌触りですっきりした甘さが楽しめる。濃厚なフルーツソースも味のアクセントに。1つで3度楽しめ、大満足。
 店内では特大桃(390円*取材時の価格)も販売していた。こちらもおいしそうです。
〈白石市・㈱きちみ製麺〉
たれ付きうーめん(くるみ)(2人前270g 388円)
 白石温麺(しろいしうーめん)」は、宮城県の南部、蔵王連峰の麓に位置する白石市の特産品。油を使わず、小麦粉と塩水で作られるので、舌触りがよく消化に優れている。そうめんよりやや太いので麺の味がより強く、約9㎝と短いので子どもからお年寄りまで食べやすいことも特徴だ。
 歴史は古く、およそ400年ほど前から作られている。白石城下のある孝行息子が胃病の父親を心配し、何か良い食餌療法はないかと八方手を尽くして探していたところ、旅の僧から油を一切使わない麺の製法を教わった。これを食べさせたところ、父は全快。この話を聞いた殿様は、温かい思いやりの心を称え「温麺」と名付け、地場産品として奨励したという。蔵王連峰の豊かな自然、特に清らかな水に恵まれた白石は、おいしい麺作りに適していたのだろう。
 油を使っていないので、あっさり優しく、そして素朴で懐かしい味がする。「そうそう、日本人が昔から食べてきた安心な食事ってこういう味なんじゃないかなぁ」と思わされた。
 私ごとですが、子どもの頃、祖母が打ったそばやうどんを、畑から採りたてのシソやネギを薬味にして食べたことを思い出しました。当時は削り節もちゃんとそのつど削っていたなぁ…とか。懐かしい味がある方、うーめんを食べてみてください。きっと記憶が甦りますよ。
たれ付きうーめん
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html