風土47
新米をより美味しく! 炊きたてごはんのおかず Part Ⅵ
実りの秋、食欲の秋ですね。
そして新米が出始めるころになりました。
今月は毎年この時期恒例のご飯のおかずの特集です。
あったかいご飯とこれさえあれば他には何もいらない……。
今月はそんな逸品が揃いました。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅行記者クラブ、日本旅のペンクラブ会員)
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
*記載の商品価格は、2014年4月の消費税増税後の税込み価格になっております。
〈村上市・鮭物産株式会社〉
鮭一口煮びたし(280g 930円)
 村上の名物といえば鮭。秋になって市内を流れる三面(みおもて)川などを遡上する鮭は、昔から村上の人にとって大切な食糧だった。平安時代にはすでに朝廷へ献上されていたといわれ、さらに江戸時代には増殖事業を成功させて“鮭の町・村上”を決定づけた。米が不作の時でも鮭の遡上によって食料ができる。村上の人たちは感謝の気持ちも込めて鮭を頭から尻尾まで余すことなく調理し、村上の鮭料理の数は100を超えるそうだ。
 その鮭の本場・村上で作られた一品。新鮮で脂のりのよい雄の秋鮭をひと口大にカットし、揚げてから秘伝の醤油タレに漬け込んである。手軽でおいしい。揚げてあるのに油っぽさを感じることなく、さっぱりと食べられる。何といってもひと口サイズにカットしてあるところがいい。見た目もよく、食べやすくてつい手が伸びる。揚げてあるので魚特有の匂いも消え、魚が苦手な人や子どもも食べやすい。袋から出してそのまま食べられるので、お弁当のおかずにも便利。ご飯に合う一品です。
鮭一口煮びたし
徳用ちりめん
〈芦北町・㈱みやもと海産物〉
徳用ちりめん(150g 648円)
 球磨焼酎や生鮮野菜、いきなりだんご、アベックラーメン、辛子れんこん……たくさんの名物が売られている銀座熊本館にあって、何年も必ず売り上げ上位に入っているのがこの商品だ。しっかり大きなちりめんがたっぷり入ってこの価格。しかも日持ちもする。目立つ商品ではないけれど、さすが、みなさん、いいものはよく知っているんだなぁと、店頭でどんどん買われて減っていくのを見かけるたびにいつも思う。
 産地は、熊本県南部の不知火海に面した芦北町。地引網によるちりめん漁が盛んなところだ。大根おろしに添えて、あるいは青菜と煮たり、佃煮風に味をつけたり、ただ乾煎りしてふりかけ風にしても、ちりめん自体がおいしいのでとても味がいい。いろいろ使っても「まだあるの!」とうれしい悲鳴を上げてしまうくらいたっぷりある。近くのスーパーではこれくらい上物のちりめんは30gで340円くらいした。間違いなくお得です。これがあれば新米をおいしく食べられますよ。
〈沼田市・村山食品有限会社〉
生芋こんにゃく・角(350g 270円)
 第一回全国こんにゃく品評会において、最優秀賞である内閣総理大臣賞を受賞したこんにゃくだ。軟らかくて味しみがよく、しかもあく抜きも不要という優れもの。油で炒めて唐辛子や酒、醤油で味をつけたらご飯にぴったり。おいしかった。
 生産している村山食品のこだわりがすごい。水は名水と同じ性質を持ったまろやかでおいしい磁気活性水(弱アルカリイオン水のハピネスウォーター)。原料となる生芋こんにゃくは、地元子持村の生のこんにゃく芋を使用。それを昔ながらの農家に近い製法で作っている。バタ練り製法といって手で練るのに近い方法で練り、型に流して一晩かけてじっくり蒸す。二日がかりで仕上げた生芋こんにゃくは昔ながらの手作りに限りなく近い風味と食感に仕上がる。軟らかいのに引きがあるのが特徴だ。小さい頃、祖母が作っていたこんにゃくを思い出すやさしい味でした。
生芋こんにゃく・角
かきと生姜のぶっかけ
〈廿日市市・かき庵〉
かきと生姜のぶっかけ(110g 864円)
 「全国の方に地御前(じごぜん)かきのおいしさを知っていただきたい、家庭の食卓で一年を通してかきを味わっていただきたい」、メーカーのそんな思いで誕生した商品だという。
 地御前かきは、広島市に隣接する廿日市(はつかいち)市から出荷されるブランドかきだ。中国山地から栄養豊富な清流が注ぐ瀬戸内海で育まれる。かきと相性のよい国産の生姜を使い、かきの匂いを消してうま味だけが際立つように仕上げてある。生姜の辛さは控えめにして、かきのうま味がくっきりと分かるぎりぎりの量にしているそうだ。かきの下ごしらえから瓶詰めにいたるまで職人が一つ一つ手作りをし、かきの状態に合わせて味付けさえ微妙に調整するというこだわりようだ。
 ふたを開けると生姜の匂いでまず食欲をそそられる。かきを取り出すとその姿のきれいなこと。丁寧に手作りしているのがよく分かる。甘辛く煮た味も絶妙でご飯によく合う。名前の通り、気づいたらタレごとご飯にぶっかけて食べていました。
〈福井市・越野漁港ぬかちゃんグループ〉
こしの甘塩いか(1パイ 486円)
 いやぁ、驚いた。衝撃的なおいしさです。仕事柄、函館や呼子、鰺ヶ沢など名産地のおいしいイカを食べてきたつもりだったが、このイカのおいしさは格別だった。ショップの方が「私、イカは苦手なのですがこれだったらおいしく食べられます。試食販売すると飛ぶように売れますよ」と話してくれたが、納得。
 福井県の越前越廼(こしの)の近海は暖流と寒流がぶつかり合い、大陸棚のような瀬が続き、イカやサバなどのよき漁場になっている。サバなどの糠漬けの発祥地だともいわれている。その越廼で水揚げされたイカを一夜干しにして味をつけたもの。原材料はイカ、塩、唐辛子だけ。越野の魚介を知り尽くした漁師のおかみさんたちが作っているという。
 手軽なのもうれしい。冷凍庫から出してそのままフライパンやホットプレートで焼くだけ。解凍時間も味付けの手間もいらない。
 とにかくぷりっぷりっの食感に驚く。弾力はあるのにやわらかく、噛むごとにイカのうま味がじわーっと口に広がる。おいしい。塩味がしっかり効いているのでご飯もすすむ。掌二つ分くらいの大きさもあり、ボリュームもたっぷり。イカ好きの方、ぜひお試しを。
こしの甘塩いか
こしの甘塩いか
〈福井市・越野漁港ぬかちゃんグループ〉
こしの甘塩いか(1パイ 486円)
 切ってみるとこんな感じです。ぷりぷりな感じが分かっていただけるといいのですが。
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html