風土47
ショップスタッフのマイブーム品
今月はお店の方に個人的なお気に入りを聞いてみました。
毎日たくさんの商品に囲まれ、試食する機会も多いショップスタッフ。
その方たちのお気に入りならきっとおいしいはず。
新発売や話題の商品など、めずらしい品が揃いました。
今月は南の県からのご紹介です。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅行記者クラブ、日本旅のペンクラブ会員)
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
*記載の商品価格は、2014年4月の消費税増税後の税込み価格になっております。
〈長崎市・長崎漁港水産加工団地協同組合〉
長崎鯛めんべい(2枚×8袋 645円)
 今年の3月に長崎県初のアンテナショップ「日本橋 長崎館」がオープンした。広々とした店内にカステラやかまぼこ、ちゃんぽんなど、長崎らしい名産品が約1000アイテム並んでいる。商品がゆったり配置され、照明もやわらかく、和やかな雰囲気で買い物が楽しめる空間だ。イベントコーナーもある。
 その長崎館のスタッフの間で大人気なのがこの「長崎鯛めんべい」だという。休憩時間などに「止まらなくなる」と大評判。
 めんべいは、もとは福岡発のおせんべいで、パリッとした食感と辛子明太子のピリ辛の風味が食欲をそそる。
 「長崎鯛めんべい」は、長崎産の鯛を使用し、本家のめんべいよりも鯛らしい上品な軽さが特徴だという。実は、長崎県のタイは都道府県別漁獲量日本一(平成24年度農林水産省調べ)だという。三方を海に囲まれた長崎は、漁獲量は全国2位、そして魚の種類(魚種)では全国1位。水産加工品もたくさんあるので、ぜひ一度のぞいてみてください。
長崎鯛めんべい
粽菜 まつのゆき|粽菜 わかみず
〈広島市・㈱山豊〉
粽菜 まつのゆき(12個 648円)
粽菜 わかみず(12個 486円)
 広島の漬物といえば広島菜漬だ。広島菜は、九州の高菜、信州の野沢菜と並ぶ三大漬菜に数えられている。白菜の一種だが、一株がとても大きく、堂々たる風格。漬け物にすると絶妙の歯応えがあり、歯切れもよく、ワサビのようなピリッとした香味があって食欲をそそる。
 広島菜漬を作る「山豊」は、契約栽培の農家から仕入れた素材と天然水(地下水)を使ったこだわりの製法を守る名店。「粽菜(ちまきな)」シリーズは、丁寧に漬けた広島菜でさまざまな食材を巻いた手の込んだ商品だ。
 何種類も店頭に並んでいたが、ワサビとかんぴょうを巻いた「わかみず」と、燻製したたくあん(いぶりがっこ)とチーズを巻いた「まつのゆき」を買ってみた。とにかくきれい。ちょっと並べるだけで素敵なオードブルに。「わかみず」は広島菜とワサビの相性がぴったり。「まつのゆき」はいぶりがっことチーズのあとに広島菜の塩味が広がり、お酒に合う。ほかにもキュウリと梅肉味の「はつはな」などがあるので、ぜひ全種類試してみたい。
〈糸魚川市・㈲一印かまぼこ屋〉
めぎすつみれだんご(6個 430円)
 おかず系のおいしいものがたくさん揃っている新潟館ネスパス。その中で、男性店長さんが今はまっていると紹介してくれたのがこの「めぎすつみれだんご」だ。
 材料となる魚は、糸魚川で獲れた新鮮なめぎす100%。これを骨ごと石臼で練り上げた魚のうま味がギュッと詰まった練り製品だ。
 つみれだから汁物に入れるのかな、と思ったら、そのままでも食べられるし、フライパンで焼くとおいしいと書いてある。
 焼いてみると……、おいしい。もっちりと歯応えがあって、めぎすの上品なうま味がジワッとにじみ出てくる。油を引いて焦げ目がつくまで焼くと香ばしい、と書いてあったが、確かに表面がカリカリになるまで焼いた方がおいしかった。簡単に作れてボリュームもある。おかずにもおつまみにもいい優れものだ。
めぎすつみれだんご
小笠原パッションフルーツ
〈京都市・㈱日本果汁〉
小笠原パッションフルーツ(150g 1200円)
 東京愛らんどにパッションフルーツが並ぶ季節になった。生の果実とともに、ジャムやお菓子など、パッションフルーツを使った島の名産品も一堂に並んでいた。
 その中で、女性店長さんが選んでくれたのが新発売のこの商品。なんと小笠原パッションフルーツの生の果汁だ。生の果汁、しかも種入りはこれまで商品化されたことがなかったのではないかとのこと。
 ふたを開けた時の芳しい香りは感動的だ。華やかで甘やかな匂いがふわりと広がり、辺りは一瞬でトロピカルに。目の前に小笠原の青い海と白砂浜が浮かんでくるようだ。
 味もいい! もっと酸味が強いのかと思ったら、やわらかな甘さとほんのりとした酸味でおいしい。黒い種がまたよいアクセントになっている。噛むとほんのり酸味が強まり、爽やかだ。アイスクリームやヨーグルトにかけてもいいし、お酒好きの方はぜひ焼酎に。開放感たっぷりで華やかな南国ムードが味わえます。
〈弘前市・㈱松尾〉
カシスぼー(100g 324円)
 カシス(和名は黒房すぐり)はすごい食品らしい。注目は高い抗酸化成分。ポリフェノールはブルーベリーの約2倍、アントシアニンは約3倍。さらに、ビタミンCはレモンの約2倍だという。アンチエイジング、美肌効果などが期待できそうだ。
 青森県のご担当者のマイブームは、このカシスを使った「カシスぼー」。ふわっと焼き上げたお麩に、青森県産カシスを加えた糖蜜をかけた手作り麩菓子。
 青森は国産カシスでは生産量90%以上を占めるという。そして「青森カシスは、農林水産省が定める“地理的表示保護制度”の第一回登録産品に選ばれたんですよ」と説明してくれた。この制度は、地域が大切に育み、それによって高い品質と評価を得た産品の名称を知的財産として保護しようとするもの。第1回登録には但馬牛や神戸ビーフ、夕張メロン、青森カシスなどが選ばれている。
 青森県では、海外での品種改良が進む以前の昭和40年代にドイツからカシスを導入し、地域の努力によって大切に栽培されてきた。青森カシスは爽やかな酸味と独特の芳香があるのが特徴。店内には麩菓子以外にもカシス製品がたくさん並んでいるので、ぜひお試しを。
カシスぼー
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html