風土47
元気が出る一品に担当者のメッセージを添えて-買って応援!九州-
今月は九州のショップを特集しました。
今回の熊本地震で大きな被害を被った県、そして風評被害で観光客が落ち込んでしまった近隣の県。
今、九州全体が元気を失っているように思います。
何かの方法で応援したいと思われている方も多いでしょう。
まずは九州のアンテナショップを訪れて商品を買って応援、という方法もあると思います。
現地の様子もお聞きしながら、元気の出る一品を取材しました。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅行記者クラブ、日本旅のペンクラブ会員)
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
*記載の商品価格は、2014年4月の消費税増税後の税込み価格になっております。
〈熊本市・㈱岩田コーポレーション〉
スイカサイダー(200mℓ 216円)
 被災直後から、多くの買い物客が来店していた銀座熊本館。熊本県東京事務所参事の吉村了介さんは「多くの方のご来店いただき、本当にありがとうございました。熊本は頑張りますので、ぜひ今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします」と話す。被災直後は入店するための行列もできていたが「現在はゆっくりお買い物を楽しんでいただけるようになりました。品ぞろえもだいぶ充実してきましたので、ぜひご来店ください」。
 そんな銀座熊本館から紹介するのはスイカサイダー。レトロな瓶といい、かわいらしいピンク色といい、なんだか見ているだけで心がほのぼのとしてくる。そして、飲んでもほのぼの。ほんのり甘いシロップの中にも、しっかりスイカの味がする。童心に帰ったような懐かしい味。炭酸ものどに心地よく、夏に飲んだら疲れがとれそうだ。熊本県はなんとスイカの生産量が全国1位! 15%以上を占めている。スイカは重いけど、サイダーなら気軽に買えます。銀座を歩く合間にのどを潤してみては?
スイカサイダー
姫島 車えびのビスク
〈豊後大野市・㈲成美〉
姫島 車えびのビスク(200g 756円)
 熊本県と同じく熊本地震の被害を受けた大分県では、大分県東京事務所主幹の直山たかしさんが「大分県でも強い揺れを観測し、建物2270棟で被害があり、7棟が全壊しました。ただ、現在は県内のほとんどの施設が日常に戻っています。別府温泉でも由布院温泉でもほとんどの宿が通常通り営業を再開しました。現地の様子を見ながらではありますが、私たちも情報発信をしていきますので、大分にお越しいただければと思います」と話す。
 大分県東京事務所に隣接する坐来で選んだのは「姫島 車えびのビスク」。瀬戸内海の西端に浮かぶ姫島は、車えびの生産で国内トップクラスの生産量を誇り、味、品質ともに定評がある。その車えびを使ったスープはうまみが濃厚。贅沢な味。パスタソースにしてもおいしそうだ。坐来には、佐伯うにのクリーミースープ、冠地どりと小粒椎茸のクリームチーズスープなど“大分県の素材を食べるスープ”シリーズが7種類ほど並んでいた。大分自慢の食材を食べて元気になろう。
〈長崎市・「びわの鈴」〉
びわゼリー びわの鈴(120g×3個 1101円)
 長崎県で選んだのはびわゼリー。長崎県はビワの生産量が日本一。約35%を占めて圧倒的な1位だ。種類は「茂木」。江戸時代、長崎の代官屋敷で奉公していた女性が中国商船から持ち込まれたビワの種を茂木町の自宅の庭に蒔いて広まったといわれる。茂木びわの露地ものは6月に出荷の最盛期を迎える。
 生のビワは手に入りにくくても、ビワゼリーなら一年中買える。店頭にはさまざまな種類が並んでいたが、めずらしいのは「びわの鈴」。種まで甘く似て、栗のようにほくほくおいしく食べられる。冷やしたゼリーはプルンとした食感。上品な甘みのビワが丸ごと入ってボリュームもあり、大満足だ。
 長崎県東京事務所観光物産センター主任主事の山下敏史さんは「熊本県に近い島原地方では地震による揺れで一部の建物に被害がありました。県全体では旅行などのキャンセルが多く発生し、風評被害を受けております。安全な地域にはぜひ皆様においでいただき、九州を元気づけていただきたい。今後も九州一丸となって盛り上げていきたいと思っております」と力強く話す。
びわゼリー びわの鈴
みやざき完熟マンゴー|太陽のタマゴ
〈宮崎県・JAグループ宮崎ほか〉
みやざき完熟マンゴー(1個 約3000円~)
太陽のタマゴ(2玉 約1万~2万円)
 新宿みやざき館KONNEの店頭には、真っ赤に熟したマンゴーが並び、南国の太陽が地上に舞い降りたかのようだ。見ているだけで元気になるが、もちろん、食べればもっと元気になれる。華やかな芳香、なめらかでとろけるような食感、そして濃厚でありながら後味のいい甘さ。さすがトロピカルフルーツの王様とうっとりしてしまう。
 みやざき完熟マンゴーは、収穫前に果実一つ一つをネットで包み、完熟して自然に落下するのを待って収穫する。その中でも糖度15度以上、重さ350g以上、色と形が美しいものという厳しい基準をクリアしたものは最高級品の「太陽のタマゴ」とよばれる。マンゴーは5月末から6月上旬が最盛期だ。
 新宿みやざき館KONNE広報課長の縣広志さんは、「九州の産品を購入していただき、首都圏のお客様の力をお借りして、九州の復興を推進していきたいと思っております。ぜひ自粛しないでご来店ください」と話す。新宿みやざき館では先日まで熊本フェアを行っていた。縣さんは「宮崎県が口蹄疫や鶏インフルエンザなどの被害でダメージを受けた時、いろいろな方に応援していただきました。熊本県も大分県も隣県ですし、落ち着くまでできるだけ力になりたい」と語る。
〈いちき串木野市・鹿児島協同食品㈱〉
鶏炭火焼(150g 486円)
 かごしま遊楽館の元気になる一品は鶏の炭火焼。鹿児島といえば、比内地鶏、名古屋コーチンと並ぶ日本三大地鶏の一つ、薩摩地鶏の産地だ。鹿児島は、鶏を飼うことの歴史が古く、薩摩鶏は観賞用、闘鶏用として約800年前の薩摩藩祖島津忠久の時代から飼われていたという。
 この商品は“地鶏”ではないようだが、それでも十分おいしかった。柔らかい鶏肉を噛むと塩味がにじみ出て、鶏肉のうまみと混じり合う。炭火の香ばしさが加わって、ご飯が進むこと、進むこと……。たくさん食べて元気になれそうだ。地鶏ならこの価格では買えないだろう。ワンコインでたっぷりおいしいおかずは主婦としてもうれしい。
 かごしま遊楽館は銀座熊本館と同じ、有楽町駅周辺にある。「銀座熊本館から当館に回ってくださるお客様も多く、『鹿児島は大丈夫だったの?』とご心配いただきました」と話すのはお客様担当の前園慧さん。鹿児島県では地震の被害はなかったそうだが、風評被害で観光客は減少している。
「商品の流通も通常に戻りました。鹿児島のおいしい食材をそろえてお待ちしておりますので、ぜひお出かけください。そして、鹿児島へのご旅行もご検討いただければと思います」とPR。
鶏炭火焼
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html