風土47
ショップスタッフのマイブーム品 Part Ⅳ
今年の夏は関東は比較的過ごしやすい気温の日が多かったですが、9月の残暑はどうなのでしょう?
……と気になるのも、今月のマイブーム品は暑い時にもおすすめの商品が揃ったからです。
さっぱりしたトマトジュースや栄養豊富な甘酒、ビールのおつまみ、冷たい和菓子、ピリ辛の調味料。
残暑が来ても乗り越えられそうな、元気になるラインナップですよ。
取材/撮影 中元千恵子(トラベルライター 日本旅行記者クラブ、日本旅のペンクラブ会員)
※ご紹介した商品は品切れしている場合があります。在庫を各アンテナショップにてお確かめください。
*記載の商品価格は、2014年4月の消費税増税後の税込み価格になっております。
〈北杜市・農業生産法人リコペル〉
おもいろトマトのジュース(180mℓ 540円)
 おいしい。ひと口飲んで、「う~ん・・・」と唸ってしまうようなおいしさだ。トマトの味は濃い。けれど、甘すぎず、酸味も強すぎず、味の波がぐっと高まるけれどすーっと去っていくようなさらりとした後味。トマトの自然なうま味だけが余韻に残る。
 「『ほかのトマトジュースと全然違う』『トマトジュースは苦手だったけどこれはおいしい』など、お客様にも大好評です」と男性スタッフが教えてくれた。もちろんご本人もはまっているそうだ。
 生産地は、八ヶ岳と南アルプスの麓に広がる北杜市。この地は日照時間日本一。さらに名水に恵まれ、昼夜の寒暖差が大きいという高糖度のトマトを栽培するのに適した条件を備えている。自然環境に加え、栄養たっぷりの有機培土という好条件で育てられるのが「おもいろトマト」。最高12度、平均10度と甘みの強い、ずっしりとした中玉トマトだ。酸味もしっかりとあってトマト本来のコクとうま味が味わえる。その果汁を使った無添加100%のジュース。1本540円ですが、一度味わってみる価値はあります。ちなみに、名前は日本の伝統色の一つである「思色(おもいいろ)」に由来しているそうです。
おもいろトマトのジュース
あまざけ
〈松本市・㈱大久保醸造店〉
あまざけ(198g 291円)
 甘酒は“飲む点滴”といわれるほど栄養豊富で、夏バテ防止効果もある。銀座NAGANOの店頭にはたくさんの種類が置いてあって迷ってしまうほど。
 その中で、飲みやすいならこれ、と勧められたのが大久保醸造店の「あまざけ」だ。信州松本で味噌と醤油を造る大久保醸造店は、家族中心で営む小さな醸造所ながらこだわりの味噌と醤油を生み出し、有名蕎麦屋や料理店、料理研究家から絶大な評価を得る存在だという。そのこだわりの職人が造った甘酒だ。
 レトロで可愛らしい缶を開け(ホコリが溜まらないようにプルトップは缶の底に付いている)、ひと口飲むと、驚くほどやさしい味。さらりとして自然な甘さ。後味もふんわりしている。
 原料は米と米麹のみ。米をあまり磨き過ぎることなく使うので、味は濃厚だが、甘味料や砂糖は一切使用せず、麹の発酵による自然な甘みを生かしているので、すっきりしている。おいしい。飲みやすい。
 男性に試してもらっても「あ、これはおいしい」と違いがすぐ分かるようだ。普通の酒が好きな男性陣にも好まれる味らしい。常温で保存できて、冷やしても温めてもいいという。買い置きして、ちょっと疲れたなぁという時にゴクゴクと飲みたい一品だ。
〈田辺市・㈱マルサ〉
うつぼポリポリ揚げ(30g 378円)
 ウツボは獰猛な印象の外見から別名“海のギャング”とよばれる。食用とは考えづらいが、実は、見かけによらず淡白で味わい深い魚で、和歌山県では古くから食用として珍重されてきたという。栄養的にも、良質のたんぱく質、コラーゲン、カルシウム、鉄分などを豊富に含み、美容や健康、滋養強壮に役立つとされている。生で食べるだけではなく、揚げたり、煮たり、加工品にするメーカーも多いそうだ。
 マルサは田辺の名産である蒲鉾の老舗。ウツボ商品も生産している。寒風で天日干しにしたウツボをスライスして揚げ、あっさり塩味で仕上げてある。ビールのおつまみにぴったり。骨をカリカリに揚げた骨せんべいのような食感で、あとから煮干しのようなイカのような深くて濃い味わいがどんどんとにじみ出てくる。
 一時、ウツボ商品を置いていない時があったが「ウツボはないの?」というお客さんの要望に応えて復活。はまっている方が多い商品なのでしょう。
うつぼポリポリ揚げ
瀬戸内レモンくず餅|こしあんくず餅
〈山口市・温故心本舗㈱〉
瀬戸内レモンくず餅(1個 126円)
こしあんくず餅(1個 126円)
 女性の店長さんはじめ、スタッフ、男性の館長さんまで、みんなではまりまくっているというのがこの和菓子。冷凍して売られているが、解凍すると、できたてほやほやのようなプルプルの食感のくず餅が味わえる。
 瀬戸内レモンくず餅は、爽やかなレモン味のくず餅と中の白あんが絶妙にマッチ。こしあんくず餅はなめらかなこしあんがたっぷりのくず餅で覆われ、定番のおいしさ。ひんやりぷるぷるで本当においしい。私も一遍でファンに。
 どんな会社が作っているのかとまずはネットで調べてみたけれど、温故心本舗の情報はWeb上ではほぼ皆無! そこで電話をしてみると「はい、まごころほんぽです」。読み方もこの時に確認できた。「うちは卸しが専門で、できたてをすぐ冷凍して主にサービスエリアなどにお送りしてます。ネットには出ていないでしょうね」と電話口の女性が丁寧に答えてくれる。海老名SAなどで人気の商品も実は温故心本舗の商品だという。「無添加で作っていますので、解凍したら早めに召し上がってください。瀬戸内レモンも無農薬のレモンを手作業で煮込んで作っています」。そのうちわらび粉を使った「わらびかっぷ」という新商品も出るそう。楽しみだ。
〈松山市・みとや〉
味わい唐辛子 黒鷹(65g 1019円)
 辛い!でもおいしい! 辛い味が大好きな方にはぜひおすすめしたい一品だ。
 松山市で唐辛子商品を造ってきた老舗が、社運をかけて(?)開発した商品のようだ。
 そのこだわりがすごい。地元愛媛産をはじめとする四国の海産物を使い、これでもかという感じでうま味成分が入っている。材料は、唐辛子、ちりめん、小エビ、干しエビ、昆布粉、ニンニク、カツオ粉、米麹。
 これらの材料を、油を一切使用せず、麹発酵によって約1年かけてじっくり唐辛子になじませているという。深い味わいのある辛さだ。ほんのゴマ粒くらい食べただけでも辛さとうま味がじわーっとくる。一人前の炒め物なら、耳かき一杯分も入れれば味わいが増し、胃がちょっと熱くなるくらいの辛さが味わえる。唐揚げの下味に使ったら、深みのある味になって、しかもピリ辛で、食が進むこと進むこと。ほんの少しで味わいがぐっと増すところがすごい。化学調味料も食品添加物も無添加だという。
 うどんなどの薬味、ご飯にのせて、あるいは調味料として。みそ汁、漬け物、唐揚げの下味、炒めものなど、使い方を開発するのも楽しい。
味わい唐辛子 黒鷹
桃
〈おまけ1〉
 8月の後半、やまなし館の店頭にはたくさんの果物が並んでいました。
 桃、おいしそう。思わずパチリ。
 種類は変わるけど9月に入っても販売されているようです。近くに行ったら覗いてみてくださいね。
〈おまけ2〉
シャインマスカット
 同じく、ブドウも並んでいてパチリ。
 紫のブドウもシャインマスカットもありましたが、9月に入っても入荷するかは不明だそうです。自然のものですからね、天候次第のようです。
 アンテナショップをめぐると都会にいても季節を感じられます。それも楽しみですね。
シャインマスカット
中元千恵子
中元千恵子 旅とインタビューを主とするフリーライター。埼玉県秩父市生まれ。上智大卒。伝統工芸や伝統の食、町並みなど、風土が生んだ文化の取材を得意とする。また、著名人のインタビューも多数。 『ニッポンの手仕事』『たてもの風土記』『伝える心息づく町』(共同通信社で連載)、『バリアフリーの宿』(旅行読売・現在連載中)。伝統食の現地取材も多い(http://tabipen.net/report/nakamoto01.html