風土47
四季折々 奈良の魅力体感
奈良墨
奈良墨は、奈良県奈良市において生産されている墨です。明日香の地で始まったとされ、都が京都へ移ってからも奈良には多くの寺社があることから、写経や学問に必要な墨の工房は奈良に留まりました。奈良県奈良市にある興福寺二諦坊の燈明の煤を集めて作ったとされている油煙墨が、良質な「奈良墨」として名声を得て以降、現在まで長い伝統を保持しています。
奈良漆器
奈良漆器の特徴である螺鈿は、夜光貝、アワビ貝、チョウ貝などを模様の形に切り、桧木地に貼り、漆で埋めて研ぎ出すという、漆芸の加飾技法の一つです。
現在、伝統的な螺鈿技法を主として、硯箱、宝石箱、文箱などが作られています。
柿の葉寿司
柿の葉寿司は柿の葉でひとくち大の鯖などを包んで押した押し寿司。
柿の葉寿司の由来ははっきりとはしませんが、柿の産地だった五條や吉野川流域の家々で、少なくとも江戸時代中期ごろから親しまれており、夏祭や秋祭に欠かせないハレの日のご馳走でした。
海のない奈良でおいしく魚を食べることができる、先人の知恵が詰まった伝統食です。